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作品名:神氣學園滅神傳Reboot 作者:ジン 竜珠

第21回 番外之傳 天高く、UMA肥ゆる秋・参
 竜輝に話したところ「ありすと、稲桐さんだけじゃ、いろいろ不安だ」とかいうことで、調査に同行してくれることになった。
 えらい言い様だが、鷹尋も否定しきれない。
 そして放課後。
 竜輝、珠璃の二人がやって来た。
「珠璃ちゃんまできたの? なんか『おおごと』になっちゃってごめんね」
 と、鷹尋は申し訳なさそうにいう。
「気にするな、鷹尋。とりあえず、お前に罪はねえのは、わかってるから」
 そのあとを珠璃が続ける。
「ボクも、こういうことは看過できないからね。何か面倒事が起きてもたいへんだし、かといって風紀委員を動かすほどの大(だい)事(じ)にはしたくないし。だから、あくまでボクの個人的行動として、キミたちに同行するよ」
 二人とも、遠回しに「そんな厄介なことに首ツッコむな」と言っているのがわかるが、ありすと一子には、まったく伝わっていないようで、一子に至っては、「夢のツーショットだわ」などど言いながらデジカメを調整している。
「とりあえず」と、珠璃が言った。
「話の詳細はわからないけど、目撃情報は夜なんだよね。ボクとしては立場上、それを見過ごすわけにはいかない。だから、特例として、放課後、一時間程度なら調査しても構わないよ」
 一子は、それでも納得しているようで、「ハイ」と何度も頷いている。鷹尋はそれほど詳しくないし、実感したことはないが珠璃への信頼度の高さと、その求心力は相当なもので、聞くところでは今年の四月辺りに(名称など詳細は一切不明だが)とある文化部が、ある「不祥事」を起こしたものの、珠璃が一存で解決し、それに対して文化局も自治局も、学園側ですらも何も言わなかったらしい。
「それと、だ」
 と、今度は竜輝が言う。
「土地っていうのは、市有地とか国有地とか、そういう公(おおやけ)な土地もあるが、もちろん、個人が所有する、私有地ってのもある。いちいち知ってるわけじゃねえが、私有地で勝手なことすると犯罪だからな。そのあたりはチェック入れるぞ?」
 竜輝たちが同行する、一番の理由は、これだろう。多分、今の話、ありすと一子はまったく理解して、というより、出来ていないらしい。それとなく見ると、鷹尋に対して竜輝は肩をすくめた。

 生徒会本部に備え付けてある住宅地図を片手に、暮満の林までやって来た。情報では、この林の奥まったところに川が流れており、その川沿いのどこかで目撃が集中しているという。
「とりあえず、『私有地』っていう看板はねえな。でも、行動には気をつけろよ」
「私有地である」という注意喚起がなければ、何をしてもいい、という訳ではない。場合によっては杭が打ってあるだけだったりすることもある。いうまでもないが、個人の所有する土地や建物に無断で立ち入った場合、それだけで「不法侵入」に問われることもある。それは、たとえ荒れ地であろうと廃墟であろうと、法的拘束力にかわるところはない。
 もっとも、その土地の所有者が暗の内に、立ち入ることを容認している場合は、必ずしもそうではないのが、ややこしいところではあるのだが。
 地図を見ながら、珠璃が指さす。
「多分、あれが問題の川だね。ちょうど市(し)境(ざかい)になってる」
 見ると、幅が二メートルぐらいあるだろうか、一本の川が流れている。欄干や橋などが整備してあり、人の往来が頻繁であることは、橋や欄干の痛み具合から知れた。
「この分じゃ、足跡とかは望めそうもねえな」
 竜輝が周囲を見渡して言った。確かに「林の中」といえそうで、舗装もされていないが、踏み固められて自然な道が出来ていたり、明らかに除草などの整備された痕跡があったりして、とてもUMAなどといった生物が現れるような場所とは思えない。
 うーん、と首をかしげてから一子は言った。
「もうちょっと奥の方ですかねえ」
 確かに、もう少し奥の方に行った方が良さそうだが、周囲の状況から判断する限りでは、おそらくしばらくはこの状態が続きそうだ。


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