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作品名:仙珠伝奇 作者:ジン 竜珠

第61回 第四章・十五
 地面に降りると、悠姫は口から血を流し、仰向けに倒れていた。
 大の字に倒れ、髪は地面に花が咲くように広がっている。
 意識はあるようだが、指一本動かせないらしく、竜聖が近づいても逃げようとする気配さえ見せなかった。
 弱々しく横たわる悠姫を見て、竜聖の劣情に加虐心も加わった。知らず知らずのうちに、彼はくぐもったような笑い声を立てていた。
 ゆっくりと悠姫の上に覆い被さり、竜聖は悠姫の上着を荒々しく左右に引いた。
 綺麗な半球形の白い肉が露わになる。その大きさは、服の上から想像していた以上だった。「巨乳」という言葉では足りないのではないのだろうか。
 その頂上にある突起は、熟れた果実を思わせる鮮紅色に色づいていた。そして突起と白い丘を隔てる紅いすそ野は、まるで目玉のように竜聖を見つめ返している。
 アダルト雑誌やその手の週刊誌などで見たことはあるが、実際に見るのは初めてだった。そして竜聖は、これに比べれば「ナンバーワンのグラビアアイドル」も、そこらの田舎娘だと、大げさでなく思った。
「時間切れかあ」
 かすれたような声で悠姫が呟く。
「滅尽七星真図を作った時のエネルギーが少し残っていたから、それを一時的な力の源にしたんだけど。あとちょっとだったのになあ」
 呟きを聞きながら、竜聖はこみ上げる笑いを抑えることなく、思った。
 何を言っているのだ、この女は。あれで本当に「あとちょっと」だと思っているのか? 力の差は歴然だったはずだ。何せ、竜聖にはほとんどの仙術が通用しなかった上、パワーソースを見破られていたのだから。
「さて、じっくりと楽しもうぜ」
 そう言いながら舌なめずりをすると、竜聖は悠姫の両の乳房を掴んだ。
 張りがあるようでいて、掴んでみると自在に変形するほど、柔らかい。もし手で味を感じることが出来たなら、迷わず「コクがあって、まろやか」と表現するだろう。
 はやる気持ちを抑えきれず、竜聖は乳房を握りしめ、時には解放し、上下左右に揉みしだいた。
 手に吸盤があるのではないかと思うほどに悠姫の乳房は吸い付いてくる。幼い頃の粘土遊びでも感じたことがないほど、こね回す感覚は充実していた。
 思わず力がこもる。爪が肉に食い込み、鮮血が流れ出した。わずかに悠姫が眉をゆがめ、呻き声を漏らす
 白い肌に赤い血。
 それが竜聖の興奮を煽る。
 苦悶に歪む悠姫の表情が、竜聖の中の獣を挑発する。
 まさに、竜聖は肉欲の権化になりつつあった。
 その時、竜聖は悠姫の目から涙が流れ落ちるのを見た。
 その様子に、竜聖は一瞬呆けてしまった。
 何か、そう、とても大事な「何か」を忘れているのではないか?
 その疑問は次第に膨らんでいき、ついには頭の中がそのことで一杯になってしまった。あれほど猛烈に吹き荒れていた肉欲の嵐をものともせず、悠姫の涙が竜聖の思考を支配したのだ。
 その瞬間。
「な、な、ああああ!」
 突然、胸が苦しくなった。
 竜聖は悠姫から飛び退(の)いて、我が胸を押さえる。
 誰かが心臓を直接鷲づかみにしているかのような苦しさで、胸が締め付けられる。不自然な拍動は胸から直接、頭に血液のように何かを送り込む。
 そして自分の中で、声がする。
 それは紛れもない、竜聖自身の声だ。
 思い出せ! 思い出せ! 彼女の辛さを、彼女の哀しみを! 彼女の辛さを本当に理解出来るのは、俺しかいないんだ! そして俺が抱えてしまった「彼女の哀しみ」を乗り越えるためには、彼女を救うしかないんだ!
 思い出せ、あの決意を!
 思い出せ、あの誓いを!
 思い出せ、彼女の涙を!
 突然。
 そう、それは突然だった。悠姫のことが、たまらなく愛しい存在に思えて、胸が切なくなった。そしてそれと同時に、ある光景が脳裏に蘇った。


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