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作品名:欠陥騎士のリアルとプライド 作者:火糸

第1回 第1話
「よう、騎士殿」
またか。
「おいおい、嫌な顔しないでくれよ?俺はお前なんだから」
俺がお前?そんなわけないだろ。
「おいおい冷たいなァ、そろそろ認めてくれたっていいだろ?」
むしろ消えてくれたっていいんだがな?
「ケハハハハ、その挑戦的な態度まさしく俺そのものだなァ」
黙れ、俺はお前のような下品な人間は大嫌いだ。
「品だとか誇りだとかそんなことを言っているうちは誰も救えやしないぜ?騎士殿よゥ」
冷静さを欠き感情に任せて快楽に酔う、そんなお前に俺のプライドを笑うことは許さない。
「でも俺の方が強いんだよなァ、力の伴わない誇りなんてほうきとちりとりでゴミ箱にぽいってやつだ」
いいさ、お前に認めてもらう必要はない。
「また逃げるのか?まあいい、最後に聞いておけ」
なんだ、まだ言うことがあるのか。
「一つ、俺はお前だ。二つ、お前はお前だ。三つ、目に映るものすべてを救うなんてしようとするな。この三つは忘れるな」



 目を開けるとそこにはいつもの光景が広がっていた。ほとんど空の本棚にトレーニングマシーン。時計を見ると午前八時、今日は九時から病院で診察を受けなければならない。手早くシャワーを浴び制服に着替える。今日は休日で学校に行く必要はないが軽い外出は服選びを省くためいつも制服なのだ。最後に相棒であるワルサーp38を腰に携え鋼鉄のガントレットを服の下に装備して外へ出た。
 昼間といえこのご時世丸腰で外へ出かけるのは危険だ。四年前に銃刀法が改正されてから治安が一気に悪くなった。この人の往来にあふれる東京であっても一つ路地裏へ入れば何が起こるか分かったものではない。

「きゃあ!ちょっとなにするのよ!」

ホラ、こんなふうに。声のした方を見ると路地裏に引き込まれる制服姿の女の子が見えた。俺は腰から拳銃を引き抜き人混みを駆け抜けた。

 通りを抜け時々聞こえる叫び声を頼りに進むと廃工場を見つけた。古く大きなドアは開け放たれている。どうやらあの中にいるらしい。さらわれた女の子のものと思われる制服のリボンが落ちている。
 息を整え今使えるものを確認する。愛銃とその残り弾数が九発、腕のガントレットも近接戦闘になれば武器として役に立つ。武器として使えるのはそれくらいか。
 あとは状況確認、廃倉庫の中を覗くと中には四名の男が捕らえられた制服の女の子を囲んでいる。その周りにはダンボール箱が5メートルほどもある棚にびっしりと積まれている。
 策は決まった。ふぅと息を整えて音の立たないように廃倉庫の中へ踏み込んだ。


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