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作品名:SとFの誤謬 作者:鈴木翔太

第6回 6


 総数の多さは、そのまま願望の多さにつながる。覚醒児になろうとするのも、人間側からすればさらに強大なものになりたい、という欲があってこそだろう。
 歴史上最も源解和合に迫った彼の者≠ヘ、その生じ方が特殊すぎたために、格外児(かくがいじ)としていかなる種族とも違った別枠に棲み分けているが、そうした俗欲を離れた精神性をもたなくては、スぺクトラとファントムに出会うことは容易ではないだろう。
「生まれつきの力なら、妖魔がダントツか。でも妖魔はなぁ……」
「心理面に問題があるのよねー。無意識下での繋がり≠ヘ最多数だけれど」
 革命児は生まれから聖人または魔人だと説明したが、妖魔と仙聖(せんせい)、それぞれの始まりはそこにある。第一人者が天外の力を用いて集団的無意識へと影響を及ぼし、認知度を拡張・分散させたことで勢力を大幅に増加させたものがふたつの種族だった。
 妖魔は破壊力≠主流に身体機能を著しく強化させており、各属性にそった妖力を日常的に操作する術を有している。ただし、そのために能力によって何事も解決しようと考える輩が多く、能力の源泉について知ろうとする者も少ない。扱えるのだからそれでいいではないか、というのが全体的な主張である。
「とはいえ、仙聖も素の状態でだと厳しくない?」
「こっちは身体が清らかすぎて、基本世界でなければ汚染されるか。どのみち、覚醒児にならないことには天外には来れないんじゃないか?」
 仙聖は想像力≠主流に心理探求へと求道に邁進しており、身体は脆弱だが仙力の一部を他者に伝播させる術を持つ。しかも、伝播させた能力は自身と共鳴させることで使用出力が高まり、天外を疑う者にもその片鱗を体感させられる。優れた能力はみんなで役立てればいい、というのがこちらの主張である。
 そのほか、両方の種族に言える問題は、居住空間である基本世界をなんらかの要因で飛び出してしまった場合、到着した世の住人を糧とせずには生きられない点が挙げられる。位相世界は、その粋たる世界柱に応じてしかれたルールに則し形を成しているので、適応するには、滞在している世界の住人らにちかづかねばならないのである。そのためには、住人から保有情報を採取することがいちばん手っ取り早いのだ。異種を捕食することでなされる存続と進化も、根頓の狙いのひとつなのだろう。


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