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作品名:SとFの誤謬 作者:鈴木翔太

第4回 4


「紫色だから、将来有望みたい。もしかしたら、もしかするかもよ?」
 紫色の魂魄は、通常の状態ではいちばん上位に相当する。次いで高位のものが青色、そして赤色、緑色と下がり、最も弱いものは茶色である。
 このうち赤色は破壊力≠ニ完全に接続することが可能。青色は想像力≠ニ完全に接続することが可能となっている。
 あまりにも単純な話ではあるが、この両方を混ぜ合わせた紫色には、相反するふたつの力≠併用するだけの資質がそなえられていた。
「源解和合(げんかいわごう)か。始まりの声に言われたヤツだよな」
 ファントムは難しい顔をしながら、両腕を組んでつぶやいた。
 根頓が自分たちを創った直後にあたえた指令は、位相世界を生み出すことと、世界から出現するであろう究極の源解和合が訪れるのを待つことだった。
 自らの資質と技量だけで天外まで渡って来られる人物など、どちらの力≠熄\全に行使できる存在に違いない。きっと根頓の予言した人物は、紫色の魂魄を所有した何者かだ。
「惜しいとこまできてるのは数名いるんだけど、まだ現れていないんだっけか」
「創世種(そうせいしゅ)が意図的に配分した既精概然(きせいがいねん)や、人間と妖魔(ようま)の混ざり子であるマダラとかは、疑似的なものでしかないのよねー。私たちが待ち望んでいるのは、天然ものなわけで」
 位相世界の起点となっているのは、スぺクトラとファントムとが協力して創生させた巨大な竜。創世種である。
 原初世界は、創世種が内側から精気を分散させることで成立させた始発の点。
 数多くの位相世界は、この点が辿ったとしても不思議でない幾重もの世界線をあまねく並列実行した結果として具現化している。いうまでもないが、それらを創生しているのは想像力=Bこのスぺクトラの力≠ナある。
 生命の意識は厳密に読み解いていけば電子だ。電子とは複数の世界に股がって存在し、観測されない限りは波のような流れとしてたゆたっている。住人たちが世界の内側≠ゥら見知らぬ世を視るには、無意識となることが必要とされる。
 たとえば睡眠中ならば、位相世界にいる己自身を体感できるかもしれない。
 住人たちにとっては、夢に垣間見るものが、大好きな異世界というわけだ。
「いずれやって来るんだろうけど、どの種族がやってくるか、ドキドキものね」


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