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作品名:Freshness(フレッシュネス) 作者:鈴木翔太

第50回 50


 鮮度の申し子の声を耳にしながら、ミシルに跨っているリジェナは、アクスとファルシオンの中間点に割り込んでいた。
 騎乗した姿勢から振動刃サーベルを操り、部下が用いる得物を叩き落としたリジェナは、さらに自身の得物を上方に投げ捨てる。右手にはめていた手袋を口に咥えて外し、軌跡を描いた干戈を両の目で追うファルシオンに詰め寄った。
 握りしめられた拳は白く色を変え、憤怒と嫌悪に飾られた顔貌を強張らせる。
 このような危機を招く者には、相応の仕置きあるのみだ。
「歯を食いしばれ! 手加減はないぞ!」
 見守ってくれているダグラスにもわかるよう、拳を弓の弦のように引きつけ、真っ直ぐに相手の顔面に放つ。
 ファルシオンの眼はこちらの拳で埋め尽くされ、然るに強烈な打撃が顔全体を捉えた。鈍い音がして、鼻からは粘着質な血があふれ出る。
 リジェナは、胸のすく思いで声を上げた。
「ファルシオン、『他人様に迷惑をかける奴は、鉄拳制裁だ!』」


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