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作品名:真昼の嵐 作者:水星

第2回 2

「おはよう」翌朝、遅刻ぎりぎりで茉優は教室に駆け込んだ。教壇の近くには小学校から仲良しの葵の席がある。

その席にぴったりと寄り添うようにみぞれが立っているのを見て茉優はげんなりした。

またか……。秋元みぞれは転入生だ。隣の校区の中学校に通っていたが、学校が荒れ始めたので、

「教育熱心な」父母により、こちらの校区に転入してきた。

向こうの学校の子と別れるのは寂しかったけどお、と甘ったるい声で説明していたが、

実際はいじめに遭っていたという噂もあった。

将来は芸能人になりたいのお。女優を目指しているのお、と自信満々に語ってくれたが、容姿はあくまで十人並。

クラスで三番目くらいに可愛い子。不細工ではないが、学年で目立つというほどでもない。

肩まで伸ばした髪をリボンでまとめ、くりくりした生意気そうな目をしている。

しかし、人を小馬鹿にしているようなその目に愛らしさは感じられない。

ツンと尖った鼻は、みぞれのプライドの高さを表しているようだ。どうしようもない苛立ちを引き起こす天性の才能は、

女優には向いているのかもしれないが、友達としては遠慮したいタイプだった。

「おはよう、葵。タカノは?」茉優は周囲を見回した。

タカノは、幼稚園時代からの幼馴染だ。五年生の時に三人は同じクラスになり、以来、よくつるんでいた。

優しく成績優秀な葵。だが、ガリ勉ではなく、周囲にさりげない気遣いをして常に居心地の良い空気を作ってくれる。

ゲームとアイドルが好きな自称ヲタのタカノ。開けっぴろげな明るい性格で裏がない。

数学は学年のトップクラスだが、国語はからっきしダメな天才肌である。

そして、地味なグループとも派手なグループとも仲良くできる茉優。

成績は中の上くらいだが、頭の回転が速く、会話の切り返しが上手い。

気付くと輪の中心にいて、茉優の一言一言に周囲が爆笑していることも多かった。

すべては、それなりに上手くいっていた。秋元みぞれが来るまでは。


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