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作品名:真昼の嵐 作者:水星

第10回 10
「茉優〜。体育館の椅子のセッティング手伝って」タカノが観客用の長椅子を両手に持ち、ふうふう言っていた。

「は〜い」茉優も軽やかに返事をして演壇の下から長椅子を取り出した。相変わらず重たい。

「うちら小学校に頼まれて演奏するお客様じゃないん?マジで超絶下働き」

「ほんま、それな。けど、吹部は椅子を並べるプロフェッショナルや。弱音吐かん」

「マジで。入学式も卒業式もうちらやもんな。」

「しかも走って並べる」タカノは椅子を並べるため脱兎のごとく走り出す。

「タカノ、待て〜」茉優も、走り出す。こういう瞬間はなんかいい。

 体育館の入り口に軽音も集まり始め、軽音vs吹部、椅子並べ競争が始まった。

日頃、重い楽器をかついでいるチューバやユーフォニアム、パーカッションが無意味なプライドをかけていきりたっていた。

「茉優」低い声が聞こえて、茉優の背中がびくっと震えた。「流星。びっくりさせんといてよ」

「あのさ、俺、一番、最後にオリジナルの曲を歌うから、聞きに来て」

「マジで?流星の作詞作曲?そんなこと出来たの?」

「う、うん。メロディーを楽譜におこしてる時間がなくて、弾き語りやけどな。顧問の松っちゃんも歌っても良いって言ってくれた」

「ふええ。すごいやん。絶対、聞きに行くわ」

「サンキュー」流星は柄にもなく気障な笑顔を見せた。入り口には、早速、流星ファンの一年生が群がっていた。

{なんかあいつ、えらくなっちゃって}茉優はくすりと笑った。


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