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作品名:北の大地で自由を謳歌する 作者:ぷーでる

第8回 8
二人は、横浜のホテルで一夜を明かすと、再び駅へ向かった。

「どうしても、上野動物園に行きたいのか?」
「あら、こんなチャンス二度とないかもしれないのよ?」

「やれやれ、仕方ない。後から、文句言われるのも嫌だからな」
「わーい、行けるのね!」

英俊は、駅で上野行きの切符を購入する。
切符を購入すると、二人は改札を通り切符を切ってもらう。

「おはようございます」
「どうぞ、お気を付けて」
「いってらっしゃい」

改札員が、改札鋏で軽快な音を奏でて、切符を切っていく。
床には、切符の切りカスが花びらを散らした様に落ちている。
改札を抜けて、駅のホームへ向かった。

汽車が、煙を上げて停車している。乗客達が次々に乗り込む。
英俊と加代もその後に続いて乗車した。
横浜を出発して、1時間近く?して……

「次は、しんばし〜、しんばし〜」と、車掌さんが案内した。
「降りるぞ、加代さん」
「え?」

「乗り換えだ」
「あらら」

二人は、新橋駅を降りる。

「ついでに、便所にも寄っていこう」
「まだ、そんなにかかるの?」

「途中で、脱線して止まる事がないとは限らないからな」
「はあ〜」

「車内でやったら、お縄だぞ」
「その前に、恥ずかしいわ」

二人は、上野行きの汽車に乗る。これで、やっと直行になった。
新橋から、上野まで1時間半?位かかっただろうか……
汽車が上野駅に到着すると、「うえのぉ〜うえのぉ〜」と、車掌さんの声。

「ねぇ、何で、いちいち語尾を伸ばして言うのかしら?」
「そういえば、東京方面になったら、そんな感じだなぁ」

英俊と加代は、汽車から降りた。

「ケツいてぇ」
英俊が、思わず声にする。

「私も、何だか痛いわ」
加代も、疲れが出てきた模様。

「ここんとこ、ずっと座りっぱなしだったからな」
「そうね、何週間位、乗っていたんだろう?」

「それで、やっぱり上野動物園は、やめるか?」
「ううん、ここまでせっかく来たんだから、行く!」

そういうわけで、二人は上野駅を出ると、上野動物園に向かって歩き出した。
途中、博物館や美術館が建っている。

通りに特別展の看板があったー
英俊の目に、それが止まるー

「なになに?欧羅巴、中生の古代生物展だって?」
「何それ?」

「多分、恐竜かなんかの化石だと思う」
「あ、あの大きなトカゲみたいな?」

「こっちの方が、面白そうだな!」
「ダメ!ライオンを見るの!」

「う……」
「明日にすればいいじゃない」

そういうわけで、二人は上野動物園の正門まで無事到着する。
正門では、大勢の客達が並んでいた。

子連れの親子の姿もあり、大変賑やかだ。
ようやく、入園料を払い、正門をくぐった。

園内も、当然混んでいる。
熊や鹿、猿などがいたが、お馴染みすぎてそこだけ空いていた。

「お、見ろよ。あれ、かんがるーっていうみたいだぞ」
「二本足のネズミみたいね」

二人は、人込みの中で、格子を覗きこみ
その二本足の赤茶色い動物を鑑賞した。

「あ、それよりライオン、ライオン……」
「落ち着け」

英俊と加代は、人込みをかき分けライオンのオリを探す。
そんな中、ものすごく混んでいるオリの前が……

「あ、北極グマ!」
「真っ白だな!」

子供みたいに興奮する、若夫婦。でも、混雑しているので
見ていられたのは数分だった。

次に見られたのは、クロヒョウだった。やっぱりここも混んでいる。
隙間から除くのがやっとだ。

次にトラ……、そして……

「あ、ライオン!」
「おお!さあ、ライオンよ、歓迎の咆哮を、俺達に聞かせろ!!」

大勢の人込みの分け目から、格子越しに
ライオンの姿がチラリと見えた。それだけでも嬉しい。
英俊と加代は、感激のあまり思わずはしゃぐ。

「おい、見えないよ。二人とも!子供が見られないじゃないか!!」

二人が、後ろを振り返ると、子連れで
帽子に眼鏡の父親が不機嫌そうに立っていた。

「あ、いえその……」
「すみませんねぇ」
英俊と加代は、すごすご後ろへ下がる。

「全く、なんなんだ!」
子連れの父親が、睨み付けて行った。

「ひゃ〜、おかっねぇ〜」
「何よ、偉そうに……」

一瞬、小さくなってしまった二人だったが……

「あ、あれ見て!あれ何だろう?」
加代が、向こうに見える大きなコンクリートの建物を指した。

「あれは、水族館だな」
英俊は、うおのぞきという看板を見つけて言った。

「スイゾクカン?」
「色々な魚を展示しているところだ」

「魚市場みたいな?」

「違うよ、大きなガラスのいけすで、生きたまま魚が泳いでいる。
それも上から鑑賞じゃなくて、横から見られるから水中気分を味わえるらしい」

「よし、行こう!」
「楽しみが増えたな!」

英俊と加代は、嬉しさのあまり、魚が飛び跳ねる様にして水族館へ直行して行った
その様子を見ていた客達は……

「何だ、あの変な若夫婦は?」

「東京には変なモンが、いるとは聞きますが噂どおりですな〜」と、
奇妙に眺めていた。


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