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作品名:北の大地で自由を謳歌する 作者:ぷーでる

第6回 加代が本を爆買い?!
 「やっと、ここまで来たぜ!」
 「疲れちゃったわ」

 「少し、ここで休んで行こう」
 「そうね」

 加代と英俊は、横浜駅を出る。
 駅前は、大勢の人々や人力車・馬車が行き交う。外国人の姿も、見かけた。
 近くの壁には、外国人向け、箱根への観光ポスターも張られている。

 「汽車の時刻が分からないと不便だな」
  英俊は、懐中時計を取り出して眺めた。

 「いちいち、駅に戻って確かめるのもねぇ?」
  二人は、背後の横浜駅を振り返って見る。

 「とりあえず、横浜駅から出発時間は確認できるけど
  次乗り換えまでは、向こうに着くまで分からないからなぁ」   

 「そうねぇ」
  加代がため息をつく。

 「そうだ、汽車時刻表の本を買っていこう」
 「そんな本が売っているの?」

 「横浜は、進んだ都市だから本屋に行けば、なんだってあるさ」
 「そうね、早く行ってみましょう!」

 二人は、意気投合して本屋へ行く。
 横浜にある本屋は、大きかった―色々な書物が膨大に並んでいる。
 あまりにも、多いので何処に汽車時刻表の本があるか分からない。

 「あのう、すみません〜汽車時刻表の本がほしいんですけど〜?」
  英俊は、本屋の店員に声をかける。

 「はい、これですね?」
  本屋の店員は、すぐに見つけてきて渡してくれた。

 「そうです。どうもすみません」
  英俊は、頭を下げ受け取る。

 「ねー、英ちゃん、私、この本が欲しい〜!」
  加代が、本を何冊か手に駆け寄ってきた。
 
 「日本名所案内書?!に鉄道旅行案内書?!おまけに小説雑誌だぁ?!」
 
 英俊が、加代の持ってきた本を見て唖然とした。
 よく見ると、手には5冊以上は抱えている。

 「せっかくの長旅なんだし、色々あった方がいいじゃない?!」
  加代が無邪気に、欲しそうな顔をする。

 「荷物が多いんだぞ、そんなに本を買いこんだら重いじゃないか!」
  荷物持ち担当の英俊が、困った顔をする。

 「え〜、でも、汽車の中って、退屈だよぉ?」
 「いや、確かにそうだけどさあ?」

 英俊と加代が、そんな風にしていると……
 店員が「いやぁ、お二人さん、仲が良くていいですな」と声をかけた。

 「あ、まあね……」と、照れ臭そうにする英俊。
 「新婚旅行かな?何処まで、行かれるんですか?」

 「あ、そういうワケでは……」英俊が焦る。
 「私達、これから北海道へ行くんです」と、加代が微笑む。

 「ほお〜随分遠い所まで行かれるんですね!」店員が感心する。
 「ええ、とても楽しみなんです」

 「それじゃ、その本が欲しいわけですな〜」
 「はい」

 「ちょっと待てよ、誰が荷物を運んでいると思ってんだ!」
  英俊、ますます焦る。

 「おやおや、旦那様も大変だ」と、他人事に様に呟く店員。
 「なあ、加代さん、2冊だけなら買ってやるから」と、英俊が折れた。

 「うーん、どれにしよう?」

 「奥様、汽車時刻表の本を買われるなら、
  鉄道旅行案内書より、日本名所案内書の方が良いと思われますが?」

  店員が、咄嗟に機転を利かせて答えた。

 「そうね、これにします」
  加代は、他の本を棚に戻して日本名所案内書と小説雑誌を手に戻ってきた。

 「ありがとうございました、良い旅を!」店員が、頭を下げた。
  二人は、勘定を済ませて本屋を後にした。


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