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作品名:北の大地で自由を謳歌する 作者:ぷーでる

第12回 熊谷駅から東北線
  「さあ、これでようやく青森まで直行だ」
  「うわ〜、やっとここまでこれたのね〜」
  「寝台列車だから、寝ていけるぞ」
  「これで、だいぶ楽になるわ〜」

  英俊と加代は熊谷駅のホームから汽車に乗車した。
  他の乗客達も次々に乗車していく。

  やがて、汽車は汽笛を鳴らし、ホームを出発する。
  二人は、乗車すると寝台の席へすぐに移動した。

  だいぶ疲れていたのか、すぐに寝てしまった。
  しばらくして、英俊が目を覚まし「加代さん、起きて」と言って起こした。
  「ううん、なあに?」

  「腹減っただろ?食堂車へ行こう」
  「うん、そうする」

    二人は、ベッドから起きて、寝台車両から食堂車へ移動した。
    食堂車は、赤いじゅうたんが敷かれており、
   車窓には、しゃれたカーテンが付いていた。

   そして、テーブルには白いテーブルクロスがかかっており
    何とも、高級感が漂う。

   席について、待っていると、スープが運ばれてきた。
    英俊と加代は、しばし料理を楽しんでいたー
    ところが……

  「加代さん、具合が悪いの?」
   英俊は、加代がうつむいたまま止まってしまったので、心配する。

   「ごめんなさい……」
   「いや、いいんだ。ここまでくるのに何週間もかかったんだ。ムリもない」

   二人は、食堂車を切り上げて、寝台車両へ移動した。
   加代は、ベッドで横になるが一向に良くなる様子はなかった。
   それで、車掌さんが医者を探してきて診てもらったら―

   「妊娠されているかもしれません」と医者。
   「ふぁっ?」と、驚く英俊。

   「だいぶお疲れの様ですし、栄養のあるものを食べさせて静養された方が良いかと」
    医者は、英俊にそう説明する。

   「あの、このまま汽車で旅するのは、まずいって事でしょうか?」
    英俊は、困った顔。

   「うーん、体調を崩されていないなら、構わないですが、何分疲労されていますし
    汽車の中では栄養のある食事は、厳しいので……」

    医者が難しい顔をした。

   「ええ?そんな!」
    英俊、悲痛な声。

   「英ちゃん、私、もう大丈夫だから!」
    加代がベッドで横になりながら言う。

   「いや、お腹の子が大丈夫じゃなそうだから……」
    英俊が、困った顔で答える。

   「次の駅で、降りて病院で念のため診てもらってください。
          できれば大きい病院が良いかもしれません。
   私は、産婦人科医ではなく内科医なので」

   医者がそういうと、部屋から出て行った。

  「おいおい……じゃ、この診察って不確かって事かよ?」
   英俊は、頭を抱えた。

  「英ちゃん、ごめんね」
   加代がすまなそうに、謝った。

  「別にいいんだよ、悪い事をしたわけじゃないんだから」
   英俊は、加代を気遣うのだった。


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