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作品名:改 1 シンラ 作者:ぷーでる

第11回 畳の上で

 宴会はピークを迎えていた。
 浴衣姿の客達は、シンラがお酒を飲む姿にすっかり興奮していた。
 いくら飲ませても、全く酔う様子がない。
 
 「いい飲みっぷりだね〜!」(客が大喜び)
 「よっ!色男!」
 「一気!一気!」
 
 大広間は、熱気帯びていた。
 
 シンラは、気持ちが良くなってきたのだろうか?
 突然、フラッとなって倒れ込みスヤスヤとその場で
 幸せな顔で眠りにつく……(畳の上で)
 
 「おやおや、眠っちまった」
 「まあ、あれだけ飲んだらムリねぇか」
 「人間なら、とっくに潰れている」
 「顔が全然赤くなってないしなぁ」
 
 浴衣客達が、倒れ込んで寝ているシンラを囲んでつぶやいた。
 そこへ浴衣姿の高齢女性客が、割り込んで来た。
 
 「このコは衛だわ!」(女性が寝ているシンラに寄り添いながら)
 「ええ〜衛って、亡くなった息子さんだろ〜?」
 
 B浴衣男客が、びっくり。
 
 「見た目は、違うけど感じられる気が息子と同じなの」
  女性は、震えながら答える。
 
 「ホントかよ〜」とA浴衣男客が、疑う。
 
 「戦死なら、神様になっているハズだよ?」と浴衣女客が、
  疑問を持つ。
 
 「そうだけど……」と言いながら高齢女性は、
  眠ってしまったシンラに自分の羽織をか けてやった。

 大広間で、ちょっとした騒ぎになっている所へフチが来た。
 
 「まーったく、シンラときたら!」とフチが怒り通り越して呆れる。
 
 「あの、こ、このコはどうしてここで働いているのですか?」
 高齢女性客が、フチに訊ねる。
 
 「お客さん、コイツは物の怪じゃ」とフチ。
 
 「でも、亡くなった息子と同じ気なんです……」
 高齢女性客は、悲しそうな顔をする。
 
 「気のせいじゃ、さあ皆さん宴会は終わりです」とフチが
  締めくくると浴衣客達は、大広間から全員去った。


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