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作品名:褒 美 作者:異邦人

第1回 1

                  亀野 利子

 もう。駄目だ!
 歩けない・・・・
 真昼の陽の照りつける熱いアスファルトの道端に、ペタンと座り込む。
 だが、片手はしっかりとレジ袋を握っている。
 意識がもうろうとする。
 腹がグーと鳴る。
 こんなことなら、菓子パンの一つでも買えばよかった。
 たった一つの菓子パンをけちったばかりに、この有様だ。
 我ながら情けない。
 そうだ!
 玉子がある。
 玉子のパックをレジ袋から、取り出そうとしたが、身体が動かない。
 額から、汗がポタポタ落ちる。
 「どこか悪いのですか?」
 女のひとが、腰をかがめて顔を覗く。
 ぼうっとした目に、すぐ側に白い軽自動車が止まっているのが見える。
 「腹が・・・・」
 と、いいかけて、相手が女性だ。
 気恥ずかしい。
 「ささ・・・・けを飲みすぎて・・・・」
 と、いいかけたが、腹がぐーと鳴る。
 「空腹で、目が回って…」
 男の沽券をかなぐり捨てて、か細い声を出す。
 「まあ!お腹が空いているのですか?」
 驚く相手の青色の上衣に、ベージュのパンツに見覚えがある。
 十数年前、母を1ヶ月程預かって貰った、特別養護老人ホームの介護士の制服だ。
 「ああ、母がお世話になった介護士さん・・・・」
 一重の大きな目が微笑む。
 「思い出したのね。お家まで送りますよ」
 「有難う・・・・助かります」
  頭をこっくりさげる。
 小柄だが、しっかりした体格の介護士は、痩せていても背丈のある自分を、馴れた態度で立ち上がらせる。
 レジ袋を取る。
 「重いわね」
 米二キロの袋と、玉子のパック、特売の三本百円の胡瓜の入ったレジ袋だ。
 「米が・・・・」
 「お米?」
 首をかしげる。
 介護士は何もいわず、レジ袋を持ち、片手で、よろめく自分を抱えるように、止めてある車の助手席に押し込む。
 母の送迎で、道順を知っている介護士は、無言のまま、十分程で自宅に着く。
一緒に玄関に入った、介護士に、
 「済みません。あとは自分でします」
 乱雑な家の中を、他人に見せたくない。
 「少し、お休みなさいな。食事の仕度をして上げますよ。袖触り合うも多生の縁といいますからね。ハハ・・・・」
 明かるく笑う介護士は、母に付き添って何度も来ているので,勝手は分かっている。
 「有難う・・・・」
 いいわけをするのも億劫だ。
  居間の古びたソファに、どたんと仰向けにひっくり返る。

  うとうとしていたのか?
  どれ程眠ったのか、分からないが、身体に隣りの部屋に放りっぱなしの毛布が掛けてある。
  閉じてあったむし暑い居間に、クーラーが入っている。
  介護士が、台所に行ったのは知っているが、姿がない。
  片隅の食卓に、何時も台所の食器棚の横に、置いてある炊飯器がのっているのが目に入る。
  這うように、よたよたと椅子に腰掛ける。
  伏せた茶わんから紙片が覗く。
   ご飯は二食分です。
   よく噛んで、ゆっくり、
   食べなさいね。
   おかずと、お茶を入れたやかんは、
   冷蔵庫に入っています。
  無我夢中とは、このことか!
  大盛りしたご飯を、またたく間に食べる。
  メモの走り書きが目に止まる。
  炊飯器に、まだ、充分ご飯は残っている。
  空腹に沢山食べるなということか?
 二日もお茶以外、何も食べていない。
 むちゃ喰いをして、腹に障っては大変だと、空腹から解放された頭が判断する。
 やわらかめのご飯に、甘みのない玉子焼き、塩もみしただけの即席の胡瓜の漬け物のなんと旨いことか!
 天下の美味とは、このような味かとさえ思う・・・・
 それにしても、めしの力は偉大だ。
 身体が軽い。
 足が自然に動く。
 冷蔵庫から、お茶の入ったやかんを持ってくる。
 ポットがあったが、底が水もれして捨ててしまった。
 お茶の葉は、父親がお茶好きだったので、何時も多く買い置きしてあった。
 お茶の葉は、まだ少し残っている。
 介護士が、ガス台にのせてあったやかんで、お湯をわかして、おかずと一緒に冷蔵庫に入れてくれたのだ。
 冷えたお茶を、ゴクゴク飲みながら、思う。
 「親切な人だなア」
 「親切な人だよ。村木さんは。何時もお母さんに優しく声を掛けてくれてね」
 連想的に亡き母の言葉が、脳裏によみがえる。
 「村木さん?そうか、あのひとが母に親切だった介護士さんか・・・・」
 母を特別養護老人ホームに、1カ月余り預かって貰った時は、ゆっくり、ものごとを考えることさえ出来ない修羅場だった。
 腰痛と両膝の痛みのため、寝たきりの母を介護していた妻が、突然、姿を消した。 
 それがショックだったのか、父が脳梗塞で倒れ、救急車で病院に運ばれ、即、入院する。
 幸い、生命をとりとめて退院出来たが、半身不随の後遺症が残る。
 折角、昔の仲間の好意で就職した、タクシー会社も辞める。
 母は、施設に行く位なら、死んだ方がいいと泣く。
 子供扱いにされたり、高圧的にものをいわれるのが辛いという。
 あの頃の老人ホームは、金儲けになると、福祉に関係のない業者の、政府からの助成金を受けた施設が増えていた。
 俄か集めの職員達も、高齢者の介護に戸迷うことが多かったと思う。
 退院した父親の介護さえ大変なのに、歩くことが出来ない母まで、自宅で介護 するのは、無理なことはことは分かっていた。
 「長くはないよ。最後の親孝行だと思って、家で看取っておくれ」
 母は涙を流す。
 自分は今迄、勝手気儘な生活をして、両親に迷惑をかけている。
 中学生の頃から、教師に反抗して、仲間二人と担任を困らせた。
 クラスメート達は、特に、女生徒達から加勢されると、さ細なことでも、正義ぶって教師をやりこめる。
 成績は優秀だった。
 母は、口癖のようにいう。
 「お父さんは、学歴がなかったため、どんなに仕事が熱心で真面目に働いても
万年係長なのよ。お父さんを見て残念でならないの。ぜひ、お前に大学を出て貰いたい」
 学級主任の先生も、頭がいいのに惜しい、今からでも遅くないから担任に頼んで、勉強しろといって下さったと、母はくどく。
 ガキ大将で、つん張っている自分だが、父の日常は知っている。
 母の念願通り、進学高校に入学する。
 仲間二人も、それぞれの親の説得で、私立高校に進む。
 だが、高校を卒業すると、大学に入るよりも都会に憧れた。
 働いて、自分の思うように暮らしたい。
 中学時代の仲間二人と東京に行くことを決心する。
 「好きなようにさせてやれ。外の空気を吸うのも悪くない」
 父は、いさぎよかった。
 母はもう、反対しない。
 父の若き日の無念を聞いている。
 父は、祖父が五十歳半ばに生まれた、一人息子だっだ。
 紳士服の小さい店を営んでいたが、生活は苦しかった。
 父は、夜遅くまでミシンを踏んで働く祖父の老いた姿に、好きな勉強を諦めて働く道を選ぶ。
 公務員の試験を受け、合格する。
 自分に好きなようにさせてくれたのも、家の都合で、働かなければならなかった、辛い思い出があったからだ。
 母は、同じ年の父と見合結婚をする時、
 仲人から、、
 「高校を一番で卒業したのに、家の事情で、大学に行けなったけれど、新聞配達などをして苦労しているだけに、頑張りやで心の優しい人ですよ」
 と、告げられたという。
 「困ったら、何時でも帰っておいで。お前の帰る家はあるのだからね」
 母は、当座の生活費を持たせてくれる。
 仲間二人も、反対する親達に、五、六年経ったら、必ず帰るからといい張って、諦めさせ、親から旅費を貰う。
 無鉄砲に飛び出した都会の生活だったが、これが若さというものかー
 職を転々と替わりながらも、結構、毎日をエンジョイする。
 ただ、気儘をゆるしてくれた親達に、金の無心だけはしないと、三人は誓っている。
 自動車の免許を取り、仕事はきついが、比較的給料のいいトラックの運転手をしている。
 互いの休日が合うと、連れだってゲームセンターやカラオケスナックなどで遊ぶ。
 「久し振りに、パチンコをしないか?」
 自分がいう。
 「よし!やるか!」
 すぐ、ひとりが賛成する。
 「オッケーオッケー」
 相棒もすぐ応じる。
 三人は何時も、意気投合する。
 偶然入ったパチンコ店で、自分達に転機がおとずれることに、誰も気付かない。

 ガチャ、ガチャといくら機械をいじってもさっぱり、パチンコ玉が出ない。
 隣りの台で若い女が、ジャラ、ジャラと玉を出している。
 「うまいじゃん」
 思わず、声を掛ける。
 目の大きい、鼻筋の通った若い女は、気が強そうだが、愛想がいい。
 「私はこれでおしまいよ。沢山出たからね。どう?食事を奢って上げようか?
美味しいものを食べたいわ」
 こちらから声をかけても、女に無視されることがあっても、女から誘われたのは初めてだ。
 「・・・・?」
 目をパチクリする。
 「行きましょうよ」
 自分の両肩をゆする。
 二十二、三歳位だろうか?
 細身の中背にローズ色のワンピースがよく似合う。
 「おい!どうした?」
 「もう、やめるのか?」
 近くのパチンコ台から、仲間二人が立ち上がる。
 二人共、すっからかんだ。
 「あら!お友達?三人一緒なら、かえって賑やかだわ」
 若い女は、ワンピースの裾をひるがえして、先になって歩き出す。

 自分は、このものおじしない娘と、付き合うようになり、まもなく結婚する。
 娘の父親は、大きな薬局を経営して居り、地区の名士だ。
 不思議なことに、娘二人のうちの姉娘の結婚に、
 「同居しているのなら、今更、式を挙げなくてもいいだろう。入籍も急ぐことはない。子供が生まれてからでも遅くない」
 即座に、結婚を許した。
 短い交際期間に、妻はいいところのやんちゃ娘と思っていた。
 妻が、自分にかくしていた過去があることを、あとで知る。
 郷里の両親に、結婚したことを知らせる。
 「お前が気に入った相手なら、文句はないよ」
と、まとまった祝金を送ってきた。
 「一度、嫁さんの顔を見せに帰っておいで」
 上京以来、息子の生活に一切干渉しない父と母だが、やはり、息子夫婦のことが案じている。
 自分達は、もう、三十歳になっている。
 膝の抜けた破れジーパンも、気にならず、若者気分で過ごしていた。
 アパートの一室で、仲間三人は、何時も一緒に行動する。
 将来に対しての野心も、目的も無く、唯一度限りの青春を思う存分、親もとから離れて羽ばたきたい。
 自分で働き、好きなように都会で暮らしたら、五、六年後には故郷に帰るつもりだった。
 それが、何時の間にか、都会暮らしも十年余り経っている。
 自分が思いがけなく、急に結婚したことに、仲間二人は動揺する。
 同じアパートの別の部屋で、新婚生活をおくる自分に、二人は、独り身の侘しさが分かったという。 
 特に、最近、郷里の親達から、
 「いい加減に帰ってこい。地元で就職して早く嫁を貰え」
と、頻繁にいってくる。
 二人がメールに写る父親の白髪頭に気弱になる。
 「おれ達は、もう、若くないんだなァ、おっさんと呼ばれないうちに、東京におさらばするよ」
 二人は、
 「時々、帰ってこいよ」
 「待っているからな」
 口口にいい残して、早々に帰郷する。
 両親に可愛がられ、大切に育った自分達は、親の無償の愛を知っている。
 自分も、年とった両親のことを考えると、郷里に帰りかったが、都会育ちの妻は、いくら、四国の玄関口の県庁の所在地の市でも、地方に行くのは厭だと反対する。
 胡瓜の漬け物をパリパリ噛みくだき、ぬるくなったお茶をのどに流し込む。
 頭の中がせわしく逆転する。

 妻は、自分が仕事に行っている間、退屈だからと、実家の薬局にアルバイトに行っていた。
 一年近く、平穏無事な生活がつづく。
 突然、父親から手紙が届く。
 母親は、もともと、腰痛があったが、両膝までも痛くなり歩けない。
 役所を定年退職した父親が、母親の世話をしているが、父親も血圧が高く、身体の具合が悪い。
 「お前達が帰ってくれたら、母さんが喜ぶし、父さんも助かる」
 めったに、弱音をはかない父親のせっぱつまった文面に胸が痛む。
 妻に、一緒に帰郷することを頼む。
 「生活の心配は、決してさせないからね」
と、いう自分の言葉に、妻は、意外にもすんなりと承諾する。
 「いいわよ。お母さんの介護もお父さんのお世話も、引き受けて上げる」
 母は、息子夫婦の顔を見ると、嬉し泣きする。
 「有難う。よく帰って来たね。これからは、家計のことは、一切、お前達に任せる」
 父は万年係長から、退職間際に課長補佐に昇任して、割り増し退職金を定期預金にした、銀行通帳と実印を、また、年金の入金する貯金のカードを、若夫婦に渡す。
 先に郷里に帰った仲間の二人は、親が役員している農協やタクシー会社で働いている。
 二人共、結婚して生活が落ち着いている。
 仲間の紹介で、タクシー会社に就職した。
 自分の給料と、父の年金を合わせれば、母のわずかな年金をたさなくても、妻にあまり窮屈な暮らしをせずに、済むと思っていた。
 実際、妻は歩くことの出来ない寝たきりの母の介護や、血圧の高い父の世話をよくしている。
 有難い。優しい妻に恵まれたと喜んだが、それは束の間の喜びだった。
 日常生活に馴れた半年程経った頃、妻は管理していた父親の退職金を解約して、全額を持って姿を消す。

 今も思い出すと、怒りに目が血走る。
 妻の安否を問い合せた実家の、父親からの返信で、妻の過去が判明する。
 妻は、短大を卒業した年に、アルバイト先で知り合った青年と、親の反対を押し切って結婚していた。
 父親は世間体を考え、長女でもある妻のために、盛大な結婚式をした。
 しかし、僅か一年足らずで離婚する。
 原因は、妻がパチンコに熱中して、生活費迄、パチンコ代に入れあげたという。
 自分達が結婚する時、
 「同居しているなら、今更式を挙げなくても、いいだろう。入籍も急ぐことはない。子供が生まれてからでも遅くない」
と、いった妻の父親の言葉の意味がやっと分かる。
 賭け事の好きな娘でも、やはり、我が子は可愛い。
 多額の慰謝料を払って、籍を取り戻してやり、薬局の手伝いをさせていたが、妻は店の金庫からまとまった金を持ち出して、家出する。
 薬局の手伝いをさせている時も、店員達の隙をみて、売り上げ金をごまかして、パチンコ通いをしていたという。
 家をとび出してからは、アパート暮らしをして、アルバイト先をかえながら、相変わらずパチンコ遊びをつづけていた時に、自分と出会ったのだ。
 父親は、娘が今度こそ落ち着き、子供が生まれたら、相応のことをしてやるつもりだった。
 娘の無軌道なパチンコ狂いの性格が治っていないことを自分の問い合わせで知り、激怒する。
 「二度と家の敷居をまたがせない」
 勘動したから、今後、どんな理由があろうとも責任は一切おいません。
 ご縁はこれ迄です。
 冷たい絶縁状だったー

 父が再び、脳出血で倒れる。
 入院していた父が退院する。
 自宅で寝たきりの母の介護で、妻の行く方をさがす気持ちの余裕がない、目の回るような忙しい毎日だった。
 二年後、
 「ご免ね。お前を独りにさせて・・・・」
と、いいつづけていた母が逝く。
 父親は、十年余り患い世を去る。
 父は生前、妻が急にいなくなった事に、何もいわなかったが、
 「お前に、苦労ばかりかけて済まない。幸せになってほしい」
と、いった言葉が耳の奥に残っている。
 母の葬式の時は、まだ、近所のつきあいがあり、町内会会長を始め、町内会の住人達も、昔の仲間二人も参列してくれた。
 父の葬式はみじめだった。
 十年余りの介護のあけくれに、町内会の人達とのつきあいも薄くなっている。
 若き日を共に遊び過ごした昔の仲間も、耳の遠くなった身体の不自由な父親の介護に、憔悴している自分の姿に、自然と足が遠のく。
 葬儀社の互助会に入っていたので、葬式は出せた。
 小雨の降る中を、町内会の会長と、両隣りの老夫婦と年とった一人暮らしの奥さんが、出棺を見送ってくれた。
 独りになってからの二ヵ月は悲惨だ。
 買い置きのカップめんや、缶詰類で食事を済ませる。
 父の年金だけでも、病床の父には、精いっぱい、食べ物も身の回りも不自由せず尽くした。
 父親が亡くなったあとは、自分は無収入だ。
 ストックの食料品が無くなっても、買物に行くのに躊躇する。
 僅かな金しか残っていない。
 父が寝ていたベッドをのけた部屋に、敷いた布団の中で、毎日を過ごす。
 病人が寝ていた時は、狭いと思っていた六畳間が、こんなに広かったのかと、しみじみ、床の間の仏壇を眺める。
 一日、一日をひたすら母や父の病状に気を使い、両親と共に苦労を味わった毎日に、精根が果てたのか、何事も億劫になる。
 ただ、ただ、呆然と暮らす。
 早く職を見つけて働かなければと思うが、頼られる人間がいなくなり、介護にあくせくした身体が虚脱状態だ。
 友達に再び、仕事を頼む気持ちにならない。
 ガキ大将で、何事も先頭に立って、自由奔放に過ごした自分の打ちすがれた姿を見せたくない。
 働かなければ飢え死にすると自覚しても、身体が、寝ている布団に張りついたように動かない。
 米がなくなってからは、ほとんど、固形物の食事をしていない。
 お茶ばかり飲んでいた。
 空腹にたえかね、僅かな持ち金でスーパーに出掛ける。
 二キロの米と、玉子と、特売の三本入りの胡瓜を買う。
 ガソリンを倹約して車を出さずに、往復二十分程のスーパーの帰り、とうとう、道端にうずくまる。
 幸い、母を知っていた特別養護老人ホームの介護士が通りかかり、車で送ってくれる。
 くたびれて、居間のソファに倒れ込むようにころがり寝込んでしまう。
 黙って帰った介護士が用意してくれた、久し振りのご飯で一息つく。
 こんな意久地なしでは駄目だと、分かっている。
 無精ヒゲの生えた、痩せた頬をなでる。
 ヒゲが、ザラザラとかすかに音をたてる・・・・
 ぼんやり、ベランダのガラス戸越しに、荒れた庭を見る。
 狭い庭を玄関先まで、ぐるりと囲ってあるフェンスの垣にそって、目かくしに植えた丈高のカンナが、赤や黄色の花をいっぱい咲かせている。
 やけつくような暑い日差しも、少し、西に移ったのか、カンナの花がゆれている。
 元気を出さなくてはと、勢いよくパッと椅子から立ち上がった、とたん!
 食卓の上の空になった茶わんが、下に落ち、真二つに割れる。
 不吉な予感が頭をかすめる。
 泣き面に蜂とはこのことか!
 不意に、涙がポトリ・・・・妻に逃げられた時も、両親の介護の時も 流さなかった涙が・・・・
 瞼をおさえる両手を濡らす・・・・

 朝早く起きた介護士の村木さんは、用意してあった材料でちらしすしを作る。
 勤め先と同じ特別養護老人ホームに、長い間、入所している母がすしを食べたいという。
 施設でも、時折、食事にすしを出すのだが、母は、思い出したように、
 「恵美子の作るおすしが、一番、口に合っておいしい!」
と、せがむ。
 認知症になっていても、母は娘の名前は覚えている。
 多いめに盛った母のすし皿に、ラップをかける。
 食器棚の奥にしまってあった、弁当箱を取り出す。
 会社勤めをしていた頃、毎日、持参した花模様のついたプラスチックの弁当箱に、大盛りにすしを詰める。
 茄子のからし漬けを入れた、ふた付きの小鉢と一緒に、ナイロンの風呂敷に包む。
 残りのちらしすしを、全部たいあげる。
 母のいう通り、手作りのすしは口に合っておいしい。
 昨日、道端で倒れていたあのひとに、おすしを上げたいと思ったのは、冷蔵庫が空だったのを見たのと、あのひとの母親を知っていたからだ。
 一ヵ月余りの利用者だったが、おとなしい、控えめな人柄に、何くれとなく気を配った。
 居間の隣り部屋に、敷き放しの布団の上の毛布を取ってきた時、正面の床の間の仏壇に、両親の写真が飾ってあった。
 微笑んでいる母親の写真に、お母さんは亡くなったのだと悟る。
 「あなたのような優しい娘さんを、お嫁さんに貰ったひとは幸せでしょうね」
と、いってくれた事を思い出す。
 仏壇に手を合わせる。
 あのひとのことは、背の高い母親思いの息子さんだけとしか、記憶にない。
 介護士の村木さんは、その頃、もの忘れがひどくなり、勝手に外に出歩くは母親が、近所の世話になったり、警察に保護されることが度重なり、遂に、母の介護のため、勤め先の商事会社を退職する。
 ケアマネージャーが、特別養護老人ホームの施設長を紹介してくれ、事情を知った施設長は、老人ホームで働くことをすすめた。
 母の国民年金と、介護士の給料で、母を入所させる。
 再就職した村木さんは、介護の仕事に精出す。
 偶然、道端にうずくまっていた男性が、親しかった母親の息子だと気付いて、心が動く。
 村木さんは三十五歳になっている。
 ボサボサにのびた髪に、目ばかり大きく痩せた長身の息子に、仏壇の母親の笑顔が重なる。
 母の入所している老人ホームに、自分も同じ施設に働き始めたのは、まだ、二十歳半ばだった。
 父は、高校生の時に亡くなり、うちわの内職をする母を早くからアルバイトをして生活を支えた。
 結婚はおろか、恋愛など思いつかない程、仕事第一に働き、介護福祉士の資格も取り、今は、リーダーになっている。
 認知症の母は、娘が何時も近くにいるせいか、外に出ることもなく、話することは少ないが、ホームの生活に馴染んでいる。
 母の行状を見て、自分の将来を考える。
 母は娘の自分がいるが、自分は一人だ。
 夫も子供いない。
 最後は、老人ホームの利用者になり、施設で一生終わるのか?
 背筋が寒くなる。
 短い期間に知り合った仲だが、息子の母親の言葉が、ずいぶん遠い日のことなのに、忘れていない。
 「あなたのような優しい娘さんを、お嫁さんに貰ったひとは幸せでしょうね」
 縁というものなのだろうか?
 あのボサボサ頭の息子に惹かれる。
 結婚していなかったのか?
 息子はひとりで、両親の面倒をみていた。
 今も独身だと思う。
 家の中の乱雑さが目に入っている。
 息子は、全く気力を失くしている。
 目ばかり大きく、痩せた背の高い息子が気になる。
 介護士の村木さんは、昨夜、眠れなかった。
 新聞やテレビなどに出る、婚活を考える。
  奥さんと呼ばれたい。
  ママと呼ばれたい。
  人並みに恋をしたい。
 自宅と、施設を往復する日常だ。
 結婚を対象にする男性と逢う機会がない。
 施設の男性職員は、既婚者ばかりだ。
 両親を看取った息子は、優しい人にちがいない。
 あの息子に、アタックしようか?
 自分勝手に想像して、村木さんは、寝床の中で顔を赤くする・・・・

 玄関のブザーが鳴る。
 ハローワークに行くつもりで、何時もより早く起きる。
 「こんなに早く誰だろう?セールスなら出なくてもいいや」
 洗面所に行こうとすると、また、
 ブザーが鳴る。
 仕方なく出る。
 「朝早くからお邪魔して、ご免なさいね」
 顔いっぱい笑いを浮かべた介護士の村木さんが、風呂敷包みを持って立っている。
 「母が、おすしを食べたいというので、多いめに作ったの。お裾分けよ」
 玄関の上り口に、風呂敷を開け、弁当箱のすしと、からし漬けの小鉢を並べる。
 「からし漬けは、母の方が上手だけれど、私のもまァまァのお味よ。お茶漬けに食べてみてね」
 早口にいう。
 村木さんは、自分のおせっかいが恥ずかしい。
 「昨日はどうも・・・・お世話になったのに、済みません」
 思いがけない介護士の出現に、何べんも頭をさげる。
 「元気を出して、亡くなったお母さんを安心させてあげなさいね」
 村木さんのかざらない言葉が耳に、ここちよい。
 「心配かけて申し訳ないです」
 頭をかきながら、お辞儀をする。
 「お母さんとのご縁よ。私、これからお仕事なの」
 いうが早いか、村木さんは、さっと玄関の戸を開けて行ってしまった。
 「もっと話をしたかったわ。でも、何もいえないのね」
 入所者には、なんのこだわりもなく活発に話をする村木さんだが、結婚を意識する相手には羞恥心が出る。
 「いいわ。気長にやりましょう。これからが私の青春よ。フフ・・・・」
 村木さんは、口から出まかせに大声で歌い出す。
   縁は異なもの味なもの
   わたしは
   あなたに夢中になる
   あなたはわたしに
   夢中になるのよ
   わたしたちのラブは
   これからはじまるの
   ララ・・・・ララ・・・・
 施設に向かう村木さんの軽自動車は、スピードを上げるー

 現金なものだ。
 村木さんが来たことで、心が和む。
 色白のふっくらとした丸顔の村木さんが、笑うと大きな目が細くなる。
 村木さんの笑顔を思い浮かべながら、弁当箱のちらしすしを食べる。
 旨い!
 茶漬けの時にといった茄子のからし漬けをつまむ。
 辛と麹と醤油が微妙にマッチした味が、口いっぱいにひろがる。
 元気を出しなさいといった、介護士の優しさに、意久地なしの自分も勇気が出る。
 ハローワークに行って仕事をさがそう。
 疎遠になっている、友達に頼りたくない。

 千二百円の格安の理容店で、頭髪を短く刈り、不精ヒゲを剃って貰う。
 さっぱりした顔で、ガソリンスタンドに車を寄せる。
 古い軽自動車だが、これから働く仕事に必要だ。
 取りあえず、二十リットルを入れて貰う。
 ガソリン代を払ったあとの有り金は、千円札一枚と、数枚の小銭だけだ。
 車に乗り込む。
 サイレンを鳴らさず、消防車が数台走り去る。
 「火事があったのですか?」
 小太りの男の店員に聞く。
 「小火だが、近くに老人ホームがあるので、一時、大変でしたよ」
 長髪の若い男性の乗った赤い乗用車が入ってくる。
 たしか、母を預けた特別養護老人ホームは、この先の田んぼのところところに残っているあたりだ。
 今朝、すしを持って来た、村木さんの事が気になる。
 「施設は大丈夫でしたか?」
 運転席から、身体をのり出す。
 「風向きがかわったからね。建物は無事だったけど、後始末で、職員達はてんてこ舞いしていたよ。ハハ・・・・」
 ガソリンを入れて貰いながら、若い男性は陽気に笑う。
 「そりゃ、よかった!」
 ハローワークに行くのは明日にしよう。
 村木さんが困っていたら、手伝って上げたい。
 車をとばす。
 施設の四、五十メートル先の、農家の広い庭に、入所者の車椅子や、キャスター付きのベッドが並んでいる。
 男女の職員等が、車椅子の人や、ベッドに横たわっている入所者を、施設の方に運んでいる。
 車を邪魔にならないように、道端に寄せて置く。
 「何をぼんやりしている!さっさと連れて行かんかね!」
 村木さんに逢うつもりで、車から下りた途端、
 後ろで怒鳴る声がする。
 白髪まじりの頭に、白いタオルでねぎり鉢巻きした作業服の、がっちりした体格のおやじタイプの男性が、庭の真ん中に立っている。
 「あの・・・・実は・・・・」
と、もどろもどろに、訳をいおうとすると、
 「なんでもいい!早く、皆をお連れしろ!」
 また、怒鳴る。
 「部屋に戻りたいわァ・・・」
 いきなり、車椅子の女年寄りに手を掴まれる。
 「水をくれ!のどがカラカラだァ!」
 パシャマ姿の男年寄りが、杖にすがって叫ぶ。
 「ああ、すぐね」
 意味のない返事をしながら、勝手が分からないまま、車椅子を押し、よたよた歩きの杖の男年寄りの手を握り、施設に向かう。
 介護士達は、日中の暑いなかを、顔をま赤にしながら、庭と玄関を往復している。
 首から看護師の名札をさげた、ピンク色の制服の若い看護師二人に、車椅子と杖の入所者を渡す。
 マスクをした村木さんを見付ける。
 「村木さん!」
 大声で呼ぶ。
 村木さんは、玄関につん立っている自分を見て、慌ててマスクを取り、制服のポケットにしまう。
 「あら!何か用事が出来たの?」
 首に、介護福祉士リーダーの名札をぶらさげている。
 「ガソリンスタンドで、火事があったと聞いたので、施設のことが気になって来たんです」
 本当は、村木さんのことが心配だ。
 「手伝わせて下さい。何でもしますよ」
 「有難う。助かるわ」
 村木さんの顔に喜色が走る。
 「では、お願いね」
 村木さんは人使いが荒い。
 十年の知己のように、
 「あれもして・・・・」
 「これもして・・・・」
と、職員達と同じように、入所者の世話や雑用をさせる。
 いわれるままに手伝っているうちに、やっと、施設内が落ち着いたのは、正午過ぎだ。
 遅い昼食をリビング兼用の食堂で始まる。
 「ビックリしたわァ!」
 「大ごとに、ならなくてよかったよ」
 「部屋から逃げ出しただけで、お腹が空いたな ハハ・・・・」
 食堂に集まるのは、手足の自由な入所者達だ。
 元気な入所者達の賑やかな笑い声に、食堂は明かるい雰囲気につつまれる。
 「カロリーはオーバーしたけれど、皆さんはお腹が空いたでしょうから、フンパツしましたよ」
 中年の栄養士が、わざわざ出て来て笑いながら説明する。
 大皿に、普段より盛りのいいカレーライスに、何時もの果物も、今日は小振りながら、バナナが一本、まるごとついている。
 カロリーなんかどうでもいい、お腹いっぱい食べられたら満足だとばかりに、
 「サンキキュー」
 「ありがとう!」
 「ありがとうね」
 礼をいう間も惜しいとばかり、皆は忙しくスプーンを口にを運ぶ。
 介護士達と分担して、お茶を注いで回っていると、村木さんが、急ぎ足で食堂に入ってきた。
 「施設長が、挨拶をしたいといっているの。ここはもういいから、事務室に来てね」
 「・・・・?」
 返事に迷っていると、村木さんは、もう、歩き出している。
 玄関脇の事務室に入る。
 奥の方の椅子に、ねじり鉢巻きをとった、あのおやじさんが、ネクタイ姿で座っている。
 「先程は失礼した。でっきり、新しい職員だと思ってね ハハ・・・・」
と、豪快に笑う。
 この人が施設長か?
 老人ホームの施設長というより、土建業の社長を思わせる。
 「近くのアパートの、部屋一つが焼けただけの小火だったがね。風向きがかわらなければ、うちの建物も危ないところだったよ」
 片隅の来客用のソファを指さす。
 「まあ、座りなさい」
 いわれるままに、ソファに腰をおろす。
 「母が、お世話になったことがあったので、手伝わせて貰いました」
 「有難う。おかげで大助りでしたよ。村木リーダーから事情を聞いたのだが、どうだろうね。うちで、働いてくれんかね」
 産休の介護士が、育児に専念したいからと、退職したので、代わりの職員を募集するつもりでいたという。
 「ご両親を長い間、お世話したのですもの。介護のベテランよ。一緒に働いてほしいわ」
 村木さんが熱心に口添えすうる。
 「お母さんのご縁だ。ぜひ、お願いするよ」
 施設長は、椅子から立ち上がる。
 「ところで、君は独身だそうだね」
 四十三歳の自分に、ぶしつけにいうのは、あらましの話を村木さんから聞いている。
 「・・・・」
 黙って頷く。
 「村木さんも独り身だ。こりゃ、似合いのカップルが出来るな ハハ・・・・」
 勝手なことをいって、
 「リーダー、あとを頼むよ」
 施設長は、横の机で書類を調べている、
 眼鏡をかけた初老の女性に、
 「事務長、一寸、行ってくる」
 いい残すと、さっと、事務室を出て行く。
 村木さんは、色白のふちなし眼鏡をかけた事務長と、顔を見合わせる。
 「独身者だと分かると、すぐ、結婚をさせたがるのよ。うちの施設で、もう、二組も夫婦が誕生しているの。ホホ・・・・」
 村木さんは、口をすぼめて可愛く笑う。
 「施設長は、言葉は荒いけど、職員達のことを考えてくれる人ですよ。どうですか?今日から働きませんか?」
 事務長は、眼鏡越しに自分を見る。
 「承知しなさいよ」
 村木さんは小声でいい、目をパチパチさせる。
 苦笑する。
 「無職ですから、有難いです。よろしくお願いします」
 深々と、事務長と村木さんにお辞儀をする。
 ふってわいたように、仕事がきまると、安堵で胸が、ふさがる。
 「こちらこそ、どうぞ、よろしくね。お名前はなんとおっしゃるの?」
 「松本勝です」
 「まつもとまさるさんね。仕事は村木リーダーに教えて貰って下さい。それから、これを明日にでも出して下さいね」
 身上書の書類を渡される。
 仲間と、気儘な生活を切り上げて、東京から帰ってから、一度も、フルネームを名乗ったことがない。
 世間を離れ、両親の介護一筋に、過ごしてきた。
 これから、松本勝自身のために働くのだと思うと、全身に気力が湧く。
 医務室の隣のケアステーションには、職員達は、入所者の所に行って、誰もいない。
 「昼食が遅くなって、お腹が空いたでしょう」
 村木さんがカレーライスを運んでくる。
 「栄養士さんが用意してあったの」
 テーブルの中程に、赤や白のバラの花が、大きな花ビンに飾ってある。
 ほのかな甘い香りが、鼻をくすぐる。
 「これから、一緒に働けるのね。嬉しいわ。あとで、母に逢ってね。母も、ここの利用者なの。認知症で、ほとんど、もの忘れをしているけれど、娘の私は覚えているの」
 村木さんは、カレーライスを食べながらいう。
 私は、もう、オールドミスでない。
 病人の母を抱え、施設で一生懸命働く婚期の遅れた私に、神様が褒美に、彼とめぐり逢わせて下さったのだわ。
 三十五歳の村木さんは、三十六歳にならないうちに結婚したい。
 一つでも若い年齢で、婚姻届を出したい、と思う女ごごろがいじらしい。
 アタックしてよかった!
 胸がとくめく・・・・
 食後のバナナを食べ終え、ふと、顔を上げる。
 自分をみつめている村木さんの、はにかんだ目と合う。
 この介護福祉士のリーダーは、自分に好意を持ってくれている。
 昨日、空腹で道端にうずくまっていた、自分を親切に家まで送ってくれた。
 長い間の介護疲れから、無気力になっていた自分に、優しくしてくれる村木さんに、心が動かされる。
 笑うと、一重の大きな目が細くなる村木さんが可愛い。
 「村木さん、自分とつきあってくれないか?」
 思わず口に出る。
 「村木さんなんっていわないで。私は恵美子というの。恵美子と呼んで・・・・ フフ・・・・」
 村木さんは、身体をよじらせて嬉しそうに笑う。
 「ハハ・・・・ では、恵美子さん、どうぞよろしく」
 恵美子さんの口許に、ついたカレーライスを指先で拭いてあげる。
 「あら!」
 恵美子さんは、スプーンを放り出す。
 手を差しのべる。
 今朝、食卓から落ちた割れた茶わんを、不吉だと、暗い気持ちになった。
 真二つに割れ、数が増えた事は、彼女との出会いを暗示していたのだ。
 自分の両手を、しっかり、握っている介護士は、妻に逃げられ、独りになった息子の行く末を案じた父と母からの褒美だと思う。
 「いいカップルが出来るな」
 施設長の言葉かよみがえる。

 神様からの褒美の彼と、両親からの褒美の彼女とが立ち上がる。
 手に持ったトレイの上の空の皿が、踊る。
 束の間の食事時間は終わる。
 さあ、仕事だ!
 二人の歩く足取りは軽い…


   新春のお慶びを
     申し上げます。
 
   読んで下さいまして
     誠に有難うございます。
    何時も勇気を頂きます。
    方に、厚く御礼申し上げます。
       有難う存じます。

    思えば、親、兄妹は勿論、
    夢を語り合った仲間達も、
    優しかった人達も、皆、逝き
    ました。
    砂粒よりもまだ、儚い自分が
    この世に生きた証しは、息子
    一家と娘達一家でしょうか。
    今、しみじみと思うことは、
    百歳近くなっても、教えて貰う
    ことが、尚も多いことです。
    余りにも無智な、自分が悔やま
    れ、残り少ない、一日、一日が
    愛おしいのです。

  読むご縁を下さいました  
  方々の限りないご多幸と
    ご健康をこころより
     お祈り申し上げます。
            合掌
         (31.1.8)


  


 




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