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作品名:腐蝕ノイローゼ 作者:葦原瑞穂

最終回 太陽 −最初の希望―
他人を呪い

自分自身を憎んだ夜に

ひとひらの風の唄を聴いた

どんどん駄目になり

崩れ荒んでいく私に

声をかけてくれる唯一の

誰かの唄声だった



もっと誰かの

笑顔のために生きたい

冬には枯れる草木の芽が

夏に散ることのないように



人世の命に

明日へと向かう光を見る

この身体が煙となった後の世界に

なおも流れ続ける唄のことを想う



人々の温もりと別れて再び一人

終わらない都会の街を歩く

互いの半身を求め合った夜と

結局繋がりあうことの

叶わなかった朝に記憶を寄せ

この絶望の世界に降り注ぐ

原始からの光と熱と輝きを

冷え切った全身の肌に感じる



生まれて初めて目にしたもの

それが最初の希望だった


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