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作品名:no title 作者:葦原瑞穂

第1回 葬送詩
やはり――
残酷なものだな
世の中と慣れ合えず
自分自身の内にすら
居場所を求められないなんて

フランチェスカは死んだ
お前は生を選ぶのか?

――分からない
――針と道具の傍らに
――彼女の遺影がある

プラタナスの木に
彼女の帽子と
肌着の一部がかけてあるのを見た
お前は泉を確かめたのか?

――泉には行っていない

何故だ?

――全ては嘘だったと信じたい
――全ては
――初めから存在しない幻だったのだと

だが、幻もまた現実だ
死んでしまった人間は
もうこの世には存在しない

――俺にどうしろというんだ?

知ったことか
彼女は淫婦だ

――神の幕屋が人の間にあって
――神が人と共に住み
――人は神の民となる
――もはや、死はなく

もはや悲しみも嘆きも労苦もない

――故に、我々に残された道は


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