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作品名:那由他の夜 作者:葦原瑞穂

第6回 the Bee
夢咲き夢崩れる逆上の庭

ただ想い残した苦しみの果ての園に

まだ迷い惑う宴の夜には

もう咲かない花 散り消ゆる蜜は血



花求め 出血の最中 薄れゆく甘味

別の誰かがそれを持ち 飛び帰る

もう明かない夜 月影の土の下

死骸の密かな行き道は枯れ消える



届かない声 動かない羽

茂みに落ちた身体に蟲が迫る

母の喜ぶ顔だけを求めていたのに

真実の夜闇が全てを明白にした



罪などない 死は罰ではなかったの?

二度とは戻らないと理解された眩しさ

あとはただ消えるだけの僅かな秒に

諦めることなどできない痛みが刺さる



この冷酷の土に吸収され

足掻いた爪跡さえ知られることもない

恒久の今が次を求めている


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