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作品名:那由他の夜 作者:葦原瑞穂

第3回
一つの島があった

悲しみの歴史があり

過去を生きる人々がいた

苦しい生活の中

神を奉り 生死を繰り返し

日々は澱み 未来はなかった

外界を求めず

希望を抱かず

そこで人々は

百年前と同じ今日を生きていた

ある社に祀られた

一枚の鏡を覗き込むと

そこに神がいた

漂う鬱の気配

やがてゆっくりと

死は訪れる

その中に見えたのは

全てが無感に包まれた

完全に透明な生の姿

そこに

一つの島があった

誰も足を踏み入れない

虚ろな寂漠の孤島


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