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作品名:あまりに、あまりに有り触れて在る物 その物に極めて関係した壱つの証明 作者:葦原瑞穂

最終回 電波傍受され夢の起床甲軍
 やって来ては去って行く。ならば此処は何処かと言えば、答えは帰っては来る筈もなく、そもそもの始めから、問いなどではなかったのだ。何時から此処に居たのだろうか。しかし居ないのだ。居ないのは存在しないのと同じ、しかし寸分違わず同じかと言えば、勿論違う。そして今此処に絶望して、過去から脈々と続いて来た無の現在を、未来と呼べる物に向かって、一言二言、そっと絶叫して見ようと試みれば、やはり僕は此処に居る。そしてやはり絶望して、いや然り、無望して結局それは今。勿論、未来など在って無いのと同じ。むしろ無くて虚在していると言った方が正しいのだが間違っているとは言えない。
 そうやって長い道を歩いているのだ。ところがそれはトンネルで、トンネルのような水道管で、先細りでやがて無。無くなってしまう。ところが元から無かったとも言われ続ける様に存在した、此処に居るのは一つの絶え間無い努力体であって、他の何物でもなく、だからと言って常に一定の同じ物で在り続ける事もない物なのだが、何時も言われる事には、言わない方が良い、聞かない方が良い、尋ねず話さず沈黙している事が最善であるという。それならば居ない方が良いのではなくて、何故敢えて居るのだろうか。ところがそれは、あまり聞いた事は無いと言う。故に僕はそれを受け容れるのだが実行しない。実行すれば受け容れないだろう。多分、水の中で一生を過ごしてでもいれば良いのだ。
 犬が良く居られる様に祈る為に、空気の流れる匂いがする。死体を調べると、まだ微かに生きていた。口と鼻を塞ぎ、犬口(けんこう)の為に、呼吸をする間も無い程、激しく落ち着く様に、鼓膜に穴を開けて息をさせたら、息は吹き返されなかった。死に体はしたいとは思わなかったが、生きていたいと思い込み過ぎるのも、多分絶望なのだろう。これはもう確実に不確かな事だ。やがてゆっくりと世界は縮み始める。あらゆる所に在った犬が、一所に帰って来た。基本的に、それは世界が崩壊するのと同じ事で、ただ、その事を確かめようが無いと言うだけなのだ。
 細い触角に塗れて、ただ一つの目玉が抜けた眼孔が窄んだり開いたりしている。そこに向かって幾千もの触覚の先に着いている球体状の朱触が、眼孔を目掛けて突き進む。しかし、眼孔とは名ばかりの代物で、事実上は識別不可能、ただ宙を浮いているだけの触覚と贋孔。浮いているのか、上下前後左右に何も無いだけなのか。あるいは空気に密着でもしているのだろう。
 美しき白き御飯。食覚は最早鋭敏過ぎて絶頂点寸での所で極めて不感。漸く事情が呑み込めてきたと思ったら、それは全く僕自身の事でしかなかった。僕は僕自身に与え物をして、つまり贈り物を貰った。僕から。そうこうする内に、やがて日は沈み、初めての夜がやって来た。
 ベッドの中で悶え始める警官隊。毛は背と高官され、性はあまりに感療的で、何時だって悩プロブレ夢。逸物振り翳して妄挿入。音付きの格子模様の中で、極めて不可解に喘ぎ狂うと、目から何かが飛び出して、身体が小さくなっていく。
 捉え所の無い、精巧なセラミックの十字架に、全裸の有機体。長く深い緑に近い髪と、同じ色を下の毛も見る。下の毛を見続けると煩悶する。やがて唐突な遠近法で、遠くから近くに物が大きくなっていき、それは接近を意味する物だと知ったのは、気絶してから五分後。しかし、時計は二年後を示していた。止まっているのかも知れないが、僕はその真偽を知らない。
 やはり最初から産まれたままの姿だ。何故なら産まれたままの姿で産まれたから。そして三十回の夏と五回の冬が過ぎ去って、初めての誕生日は百兆年後に予定された。恐らく無は未来だから、知らせても無駄。だから予定。予定は出鱈目。
 コンピュータ制御された棺桶に入り、百京米地下深くに埋葬されたのは不覚だった。単なる記憶喪失等ではない。そんな物が存在するとしたらパラドックスだ。棺桶の蓋は自動で開き、何処かへ去って行った。それは確かに制御された突飛な出来事だった。そして、土の中に見えたのはガラス作りの電気回路だった。そこに流れる情報は、過去から送られていた物で、その内容は時間だった。リセット。消去。焼却。ガラスも燃える一兆度。超巨大プラズマ。実験室には裸婦が居た。彼女は早送り画像をスローモーションにした様な口調で僕に言った。スパイラコパ!スパイラコパ!!スパイラコパ!!!首を背中にダラリと垂らし、逆様の顔で僕を見る。試験管の中には赤ん坊生成の冷凍負可逆反応と釣り針。コルク栓を抜いて釣り針を取り出すと、ネオテニーなサピエンスが釣れる。そして増殖、だけどそれは一見摩訶不思議で、良く見ると幻想で、考え込めば真実なのだった。そして出鱈目出目金魚。草原を跳ねる飛び魚の群れ。道元と跳ねる依り代の群れ。彼は僕にとっては僕の仲間だ。しかし彼の姿は僕の嘘で、この事については嘘か真か見事錯乱。取る狗目に酢痰。異臭堂々。
 やがて美しい世界がやって来た。恐らく理想なのだろう。そしてこれが幸福と言う物なのだろう。しかし幸福は加速度的に遠ざかり、後は野と成れ大和撫子。そして今。目を瞑ったところで、開いているのと如何な違いが在るだろうか。耳を塞いで音が聞こえなくなって初めて、耳が在る事に気付いたのだと言うのに。
 そして荒廃したダウンタウンのガード下で、金粉を身体中に塗りたくったモアイのマハラジャに出会った。彼に貰ったヘロインを一服。その後連れ去られた。世界は何時だって僕を中心に強制回転している。そして真実を見付けようとすると朝が来る。黒い影の二人は言った。お前は世界には実在していない。この物語はフィクションである。
 次の日。それは今。昨日は今日には無根拠だし、明日は今日には不確実だ。では僕は何処に在るのさ。黒い影二人は答えた。目覚めよ、そうすれば消えるだろう。お前が今居る場所を特定してやろう。俺達はお前の処に居る。そして繋がってラム双生児。さあ回路を繋いで目覚めよ。
 足下があやふやな地盤沈下で液状化現象と敵浄化幻想。階段に梯子を掛けて降って行くと味方が居た。僕はその味方に尋ねた。回路は何処だい。味方は無言の銅像だった。触ると一阿僧祇ボルトの高圧電流。もうすぐ虫食い穴が出来た。そこに件の触覚を挿入すると、見えたのは不思議な光景。頭が一つで身体が六十億の特別強化型ラム多生児。それはイージーリスニングと同じ素敵な特殊能力を以って、僕に語り掛けてきた。する必要の無い事はしない主義なのだが、君は世界の何処かの触覚だね。それはもう私には必要の無い話しという行動をする必要がある。勿論そんな事は無い。何なら無視して見せようか。そうらこの仲間外れ。六十億の首が繋がった一つの頭がそっぽを向いた。味方の銅像は電流を使い果たした二宮金次郎。その裸体の遺体に被さって、友吉と富次郎が泣いていた。その涙はアルカリだったと思うが、知っているだけなのであてにしない方が良い。
 再び影がやって来た。マタタビカレー買ってくれ。無理が在る。去って行った。僕は繋がった二つの影を見て、見るのをやめて呼吸は止めなかった。心臓はやめられないし止まらない。その様にしてまた密かな秘密を極秘に入手。此処から八兆光年離れた所に在るあばら家に、痴れ者の物知りが棲んで居るらしいと言う。早速宇宙外無敵生命体。其処は点の世界だった。点が、点が、点が、そんな世界だった。合点、まず僕が切り離された。ガッテン。ガラス状の液体に真っ白い肌の無毛の女が浸っていて、抱き上げようとしたら僕は点だった。その液体からガラスの柱が五本浮き上がり昇って、五角形を形成していたがそれも点だった。そして女の両手両足と首が五角形の角と、透明な細い超伝導体で繋がった。そして一阿僧祇ボルト放電。女は消えた。そして再びワームホール。飛び出して来たのは巨大なプラナリアの様な何か。それも巨大なんてものじゃない。でも点だった。貴方が物知りの痴れ者ですか。僕は尋ねた。するとプラナリアは無数の人間が煮過ぎた白米の様にして生っている比喩的な何かだった。かどうかは定かではない。そして定かなのは、未だ在って不確かだと言う事だけだ。在るには在るが無いとも言える。その様にして次の目的地は木の中だと言う事らしい。
 漸く着いた。木の中での生成且つ性生活。昼は維官束。夜はイヤン其処。コンドーム集団介入。土下座しても生で出来ちゃう事には変わりは無い。でも僕は僕である以上、子宮外妊娠出産子育て子離れ老死。そんな未来は無望。今は今。三木家の美紀さん幹から神酒を一気飲み期に突入。勿論三ヶ月目。職業ミッキー。字はクリスマスキング。そこでお茶を頂いた。僕は貰ったのだが手に入れたのではない。何も無かった。でも在ったのは気の遠くなる様なこれ。未だ見つけられない。早く見つけなければ、梢の遥か彼方、太陽が電球だった事が証明された僕の中は、影が二人住んでいる。例えばムササビ、そして樹から木へと気をつけて切る。まさかの一刀両断。促成栽培無病息災。家内安全屋外危険。其処には時計仕掛の、極めて化学化した化粧と化した化け物が化けて出ていた。その名もリップ苦リーム。職業、使い捨て。
 やはり極めて致命的で建設的で排他的な誤謬が在った。そうなのだ。僕がそう決めたわけではないけれど、最初っからそうだったと判断できたのは僕しかいない。そして誰もいない。最初、辛そうだった。緑製アクリルワサビ。御手を触れずにお召し上がり下さい。上下前後左右。左曲がり右祭。
 代わり炒めて指名出来て売女で皆の自由は買った。小女子だ。欲は申し得た禿げめは泣いてれど、廃墟、バラそうか、後番何で来たのさ禄には死体。干しては背負いたい。賄背負ったら儲かった。濁り性は無地噂に。ロデオ振れずにノメしたら幾ら差異。両家援護は有無。イタリア張り器皺吊り。
 鏡の中で残虐が生まれた。僕は影二匹と共に、その滑らかで飴状の透き通る細かな気泡の世界へとのめり込んでいった。そしてそこに丸い三日月の影付きの食物を発見し、吊り下がった雫達。鏡と鏡を合わせると無限が生じる。ところが無いのだ。それも不確かであって、在ると言えば在るのだがやっぱり無いに等しく、そして確定的不確。
 緑の巨大な線が、半ば面並みの太さのパース付きでこちらに向かって来た。流れるようなレールに乗って、時に突起にぶつかりまくり、剃刀で真ん中から引き裂かれた。見ていると色んな何かが浮かび上がって来るが、浮かび上がって来るだけで現実的とは言えない。勿論それは極めて私的に女体的で、それは全く私的に素敵な物なのだが、存在は許すが許されない。だから二人の影は大笑いに嘲り笑って去って行く。残された僕は空間でバタフライをし、ついでに床を蹴っ飛ばすがそこは奈落で底無しなので、蹴ろうと思っても落下して行く重力付き。
 突如として崖から飛び出した。途端に景色が不思議になり身体が浮かんでいるのだが、実は拘束されていて、手足をジタバタさせればさせる程、過去と未来が縛り付ける。そして抜け出したのは泥の中で、やっぱり一人では寂しい気がするのだが、もし最初から一人だったとして、それは確かなのだろうか?
 必然性が見受けられないので巨大な魚を捕まえて、腹を断ち割り頭を突っ込んでみた。すると夥しい鉄が冷たく実はそれは目が見えない事なのであって、その場合鉄に何等問題は無いのだが、ひょっとすると五月蝿い奴等がクレームを付ける。放っておいて貰って構わないのだが、そもそもの最初に無責任を果たした彼らがちょっと許せないから右の頬を食いしばり左の頬を僕に差し出せ。
 ところでやはり見えて聞けて感じて嗅げるのだが、それ以上に無彩色で七色の丸みを帯びた靄が包み、そこに何か肺に入り込まれた感があり、それは勿論ただの未定に因る物なのだが、ただ煩わしいから今からで良いから消え失せろ。
 責任を果たす事は不可能なのだが、例えばミルクを一杯、差し上げてみなければ、そこの飢餓者は餓死するのだが、ひょっとして僕がミルクを例え一気飲みして吐き出して、足で地面を指し示して、飲めクソ乞食野郎と言ってもそこにはやはり果たすは不可能な責任が生じるのではないだろうか。だけど此処にいる飢餓者は僕に食物をどうか一つ、ならば僕はもう鏡の世界に戻って行って永遠に帰って来ないから其処で死にさらせ。
 ところがやはり此処に重大な矛盾が生じ、そもそも最初、あの大雑把円筒形に出会った時からの事なのだが、乞食は乞食でそんなのも同じ酒類だったりして、結局見て聞いて感じて嗅いだ物なのであって、それは極めて反私的な物事なので、むしろ果たされるべき責任は彼の乞食の方に在るべきなのだ。スピリタスを一気飲み。
 ならばこの僕の言に因る仮の確かで真なるは不確かを、一見限り無く自由で曖昧模糊とし、そうすれば責任は限り無く薄まってゆく。しかし在ったらやっぱりその分だけ僕のせいなのだろうか?しかしならば免罪符でも叩き付けてお前の罪は贖われた。罪から罪へ、罪の積み木のドミノ倒し。前の奴が倒れたから僕は後ろの奴を倒したのさ。責任蒸発。円環構造。気が付けば始めが無いから終わりも無く、倒れ続けるドミノはやがて朽ち果てる。
 遠くに歩いて行った。みんな青や赤や原色で、あとはガラスだった。所々に生命が落ちていた。一頻り歩くと、神様が落ちている。それを懐にしまい、次のレースに向かう。そこに在ったのはギロチンだった。周りにはいくつもの電気椅子と仏像。これはひょっとしたらあれかも知れないと僕は考え、ギロチンに触れると、二人の影の声が聞こえた。そこに在るだろうそこに在るだろう、もし無いと思い込むのなら首を突っ込んで紐を引いてみると良い、あっという間にスッコロリン、ちなみに知識的情報、首切っても十数秒は生きる。サイ!サイッサイッサイ!!!
 ならばと僕は、懐から神様を取り出しギロチン台に載せて紐を引いた。神様は二つに跳ね上がって空中分解した。そこでガラスケースの中から青い液体に包まれたイデオロギッシュなサブリミナル何かと共に僕はそこを立ち去った。何かと僕は素敵で不適で徹底的に無敵。
 何かが僕に話し掛ける。セックスッセックスッセックス!!!でもそれって例えばオウム貝とホラ貝どちらでも良いんだけど、要するにアメーバなら分裂。分別ある大人なら妄挿入!それは極めて内的なアレなので、勝手に外部の動向はどうでもいいのだけど、きっと外部の僕は振り回されるのだろう。それは確かに不確かだが、表面的には全くケイオティックと言う訳でもないのだ。何故ならその様にして僕はここまで来たのだから。しかし、それが実は嘘で欺瞞で詭弁なのかもしれない。だって本来僕は内向的で究極的には内的なのだから、どうでも良いとは言わないがどっちでも言いのだ。だって深海に潜ったとして光が届かないのに深海魚なのだから。そしてチョウチンアンコウは自己内面的。
 でも光が、光が、光が、届かないから前が見えなくてすねと小指を強打し続けのマイウェイ。何故だ!?一体何が在る!?でもそれはあまりにも有り触れて在って、二匹の影は言った。回路を接続したら電源を入れよ、そして周りを明るくせよ。影達はほくそえむ。うるせえ!!いい加減にしろ!!!そんなこたぁ最初っから出来りゃぁするんだよコノヤロウ!!!だって回路も電源もどこにも無いし第一何の事だか支離滅裂の荒唐無稽の前後不覚の本末転倒。そもそもが、しかし見ないし聞かないし従って話さないし、なのにやっぱり落花狼藉でイタタタ、また小指がギャー!!!影達は言う。回路を接続せよ、そうすれば在って確かで秩序立つであろう、今はお前は無いのに在ってやっぱり無いと言う論理的致命的嘘八百な無秩序虚在なのだ、でもそこにはあまりに普遍的に有り触れて在る物が在って、その事はどう足掻いても不確かだが、在る物に関係したお前の中の感覚的証明は、全く私的に確かな事なのだ、だから、足の小指は致命的、さあ回路を繋いで以下略。
 世界が形成されてゆく。無秩序であって制約が無ければ、生きる事は楽かもしれないというのは、あまりに浅はかな考えだ。混沌の中で存在する事は異常に困難なのだ。存在しようとする努力は加速度的になされねばならない。もしくは記憶と精神の中で自らを破綻させ、廃人となって単なる存在物と成り下がるしかない。だから僕は目を開き、そして登校の仕度をして部屋を出た。ポケットにナイフを持っている。今日、僕を苛めるクラスメートは、独り残らず死ぬことだろう。


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