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作品名:孤児(ダルジュロス) 作者:葦原瑞穂

第9回 沈黙の祈り
耳の奥に
天使の声が聞こえる
何かが思い出される
それが何なのか分からない
夜の道端に沈み
目に映るものだけを見ている

多くの人々にとっては
夜はやがて明けるもの
けれど ごく少数
太陽の光を浴びることの
できない者たちもいる

光は痛み
輝きは苦しみ

目を閉じれば
もう何も浮かんでこない
街の雑踏が遠のき
微かに残された意識で
ただ 切実に祈る

だが言葉はない
どのような言葉もない

冷たい風に流されて
祈りはやがて消えていく
ビルに囲まれた四角い空に
無数の遥かな天体が浮かび

やがて 意識は―――


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