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作品名:孤児(ダルジュロス) 作者:葦原瑞穂

第10回 ドッペルゲンガー
夜が明ける直前の

奇妙に薄白い闇の中

ある《予感》が胸の内で成長し

壁が私を呼んでいる



床に張り付いた身体から

シルエットが浮き上がり

目の前で首を吊ろうとしている

だがそれは私ではない



ふと気付く

身体に現実感がない



黒い臓腑のような塊が

吊り下がった壁が私を呼ぶ

それに触れたくなどないのに

自分が自分である気がしない



夜明に近い白闇の中

かつて私自身だったものを見ている

十一月十五日の午前五時半

行動の後に訪れた《予感》


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