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作品名:うめちゃんとふしぎなおともだち 第2弾 作者:烏山鉄夫

第3回 第7話 うめちゃんはお姉さん
 うめちゃんは、今日もおにわでひなたぼっこを楽しんでいました。
 「ふふふのふん、ふふふのふん」
 なんの歌かは知らないけれど、ニャア子お姉さんがよく口ずさむはなうたをまねするのがすきなのです。
 かさこそ、と言う音が聞こえました。
 「あっ、もごじいともごばあだ」
 ねこのおじいさんとおばあさんは、いつも入れ歯のせいで口をもごもごと動かして、何かを食べているように見えます。それで、ねこ町に住むねこたちは、町長さんに親しみをこめて、そのようなあだ名をつけたのです。
 すがたを見せたのは、思ったとおりもごじいもごばあでした。
 もごじいは、背中にふろしきを背負っています。一体だれが、とても上手にくくりつけたのでしょう。もごばあかな、それともニャア子お姉さんかしら。
 「おやおや、うめちゃん。こんにちは」
 「もごじいだ、こんにちは。おさんぽですか?」
 「はいはい、今日は子ねこたちとお出かけをしていました」
 「子ねこちゃん?どこにいるの?」
 「はいはい、私の背中におんぶをしています」
と言って、背中にくくりつけたふろしきをおろしました。そして、布を広げると、うまれたばかりの小さなねこが三匹くらい出てきました。
 うめちゃんは、子ねこを見るのははじめてなので、少しだけびっくりしてしまいました。
 また、子ねこたちも、はじめて見る大きな生き物がいるので、こわくて三匹がかたまって、うめちゃんのことを見ています。
 「あら、かわいい。子ねこちゃん、こんにちは」
 「じいじの、おともだち?」
 「はいはい、そうですよ。やさしいお姉さんだから、ちかよってごらん」
と言われて、おそるおそる子ねこちゃんたちが、うめちゃんのそばにやってきました。
 うめちゃんは、ずっと「ふせ」をしていたので、顔のすぐ目の前に子ねこちゃんが立っています。
 「みゅう、みゅう」
 まだ赤ちゃんなので、「にゃあ」と言えないらしく、かわいらしいなき声を聞いて、
 「かわいいね、みゅうちゃん」
と、呼んでみました。みゅうちゃんも、小さくてもねこなので、目を細めて「親愛表情」をしてくれました。
 うめちゃんは、首をのばして子ねこの顔をなめてあげようとしました。それに気がついて、子ねこもおっかなびっくりですが、こちらも首をのばしましたが、まちがえて顔をかぶりとくわえてしまいました。
 「みゅうっ、みゅうっ、みゅうっ」
と子ねこの悲鳴が聞こえます。うめちゃんは、あわてて顔をはなしました。
 うめちゃんの口の中から出てきた子ねこは、目を細めています。おやおや、さっきの声は悲鳴ではなく、よろこんでいる笑い声だったみたいですね。
 「子ねこちゃん、ごめんね」
と、あやまると、べつの子ねこがちかよってきました。
 「あら、どうしたの?」
 「みゅう」
 「おや、うめちゃんにがぶりとされたいようですよ」
 もごじいがおしえてくれました。それを聞いてうめちゃんは、
 「そうなの?はい、おいで」
と言って、またかぶりと頭を口の中に入れました。
 最後の一匹にかみつくと、その子は小さくて丸いしっぽを動かして、すっかりよろこんでくれたようすです。
 「おや、すっかりうめちゃんと、おともだちになったみたいだね。ばあさんや」
 「そうですねえ、おじいさん」
と言って、二匹とも顔を見合わせてから、目を細めました。
 子ねこたちは、よほどうめちゃんがすきになったのでしょう。
 まず、うめちゃんにすりより甘えていましたが、そのうちに一匹が横ばらをひっかきはじめました。すると、その子がうめちゃんのからだをよじ登りはじめました。そして、それを見たほかの子たちがまねをしました。
 子ねこたちは、「みゅうみゅう」をくりかえしています。人間の言葉になおしてみると・・・・・・。
 「ああ、つかれた。お山登りはたいへんだね」
 「そうだね。でも、お山の上がふかふかしていて、気もちいいね」
 「パパのお山みたいに、あたたかいね。ぽかぽかしているから、ねむくなっちゃった」
 「そうだね、お山の上をおさんぽしてみようよ」
 「うん、そうだね」
 子ねこと言っても、三匹もいればけっこう重たく感じました。その感じが背中を伝わってこしの方に移動し、歩いているのがよくわかります。
 うめちゃんは、子ねこたちが遊んでいるのがうれしくてうれしくて、しっぽをふりました。すると、こしの肉が動いてしまい、子ねこは立っていられずによろけてしまいました。そして、うめちゃんのこしをすべり台にしておりてきました。
 「いたたたた」
 「いてててて」
 「いたかった」
と言いながら、子ねこたちはまんぞくそうに笑いました。
 そして、声がそろって、
 「楽しかったね」
と、言いました。
 もごじいが、
 「はいはい、今日はおうちに帰りましょう」
と言って、わりこんできました。
 「ええっ!もっとお姉ちゃんと遊びたい」
 「こらこら、いっぱい遊んでもっらたのだから、今日はおしまいです。それに、ねこテレビの昔話のはじまる時間ですよ」
 「昔話?わあい、帰る!お姉ちゃん、さようなら」
 うめちゃんは、おわかれがさみしくて、
 「くうん、くうん」
となきました。
 子ねこは、またふろしきの中にもぐりこみ、もごじいにおんぶされ帰っていきました。
 「あれ、いないなあ」
と声が聞こえました。それは、ニャア子お姉さんでした。
 「ああ、お姉ちゃんだ。ねこテレビの昔話を見るって言っていたよ」
 「あら、もうそんな時間なの?」
と言って、首をかしげています。
 「ねえ、ねこの昔話って、どんなお話?」
 「桃太郎とかうさぎとかめとか、かぐや姫・・・・・・」
 「あっ、うめ、みんな知っているよ」
 「あら、本当?でね、そのおじいさんとおばあさん役は、いつももごじいともごばあがやっているのよ」
 「えっ、テレビに出ているの?」
 「ええ、そうよ。おじいちゃんのおうちには、色々なお客様がくるの。町長のお仕事でくる時もあれば、ご近所の生き物たちが遊びにくるから、けっこういそがしいの」
 「ふうん」
 「おじいちゃんちにねずみがきてもおこらないし、食べようともしないから、とても仲良しで、おむすびころりんをやる時は、ねずみのうえを借りているのよ」
 「すごいなあ」
 うめちゃんは、もごじいともごばあがもっとすきになりました。
 「でも、昔話は夕方からなのに・・・・・・もう、おじいちゃんったら」
と言って、ニャア子お姉さんはクスクスと笑いました。


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