小説&まんが投稿
 ようこそゲストさん トップページへ ご利用方法 Q&A 操作マニュアル パスワードを忘れた
 ■ 目次へ

作品名:うめちゃんとふしぎなおともだち 第2弾 作者:烏山鉄夫

第2回 第6話 たぬきのクイズ大会
 うめちゃんは、今日も早起きをしました。たからもののりすさんに、
 「おはよう、りすさん」
と朝のあいさつをしてから、たぬきさんたちにもあいさつをしました。でも、たぬきさんたちは少しだけねむそうな顔をしています。
 「たぬ兵衛じいじ、おはようございます」
 「むにゃむにゃ、おやおや、うめちゃん。もう起きたのですか」
 「うん、そうだよ。たぬきさんたちも、早く起きて」
 「むにゃ、まだねたばかりなので、ねかせてください」
 「どうして?」
と、うめちゃんはわけを聞きました。
 たぬきさんに代わって、ねむい理由をお話しましょう。
 きのうの夜は、あちらこちらのたぬきさんが集まって、「クイズ大会」という遊びをやっていたのです。
 三たくクイズというやり方で、たとえば、答えが「とうふ」なら、
 @ねんど
 Aとうふ
 Bせっけん
とあって、さて、どれでしょうか。と、やるのです。もちろん、Aですね。
 ところが、たぬきさんは、番号の書かれた木の札を出すのに、なぜかCと言うのを出すのです。
 もんだいを出す「しかいしゃ」は、おどろきもしないで、
 「ブーッ、ざんねんでした。正解はDでした」
と言うのです。それを聞いてたぬきさんたちも、
 「おや、まちがえてしまいました」
とか、
 「あらら、そうなのですか」
などと言ってくやしがるのです。
 そうやって、なかなか優勝者が決まらないまま、朝になってしまい、にわとりさんが、
 「コッケコッコー、朝ですよ!」
と起きてしまい、
 「おやおや、朝になってしまいました。このつづきはまた今度にしましょう」
 「そうしましょう」
と言って、あわてて解散をするのが常なのだそうです。
 さすがにうめちゃんもそれを聞いて、
 「へんなの」
と思いました。だって、うめちゃんはお兄さんがテレビと言うふしぎな箱みたいな道具で、そのクイズを見ているので、よく知っています。
 また、たぬきさんはいろいろなことをして遊ぶのがすきで、すもうを取るのも楽しみなのだそうです。
 よこづなは「鯉登」と「滝壺」、次に強いおおぜきには「山吹」と「唐揚」と言う名前(しこ名と言います)のおすもうさんがいるのだそうです。番付が下の方になると、たぬきの親方が町でおぼえた言葉をそのまま名前にしてしまうらしく、「なべぶた」とか「でべそ」とか、変わったしこ名のおすもうさんがいるようです。
 行司さんは、どうしてだかうさぎさんときつねさんが、交代でやってくれます。
 正月ときせつごとに集まって九日間やるのですが、いつもはじめの日に全員が負けて、全勝がいなくなってしまいます。よこづなも二人とも負けてしまうのです。
 それは、土俵のまんなかで、「はっけよい」と言われた、たぬきさんたちは勢い良くとびはねて、大きなお腹をぶつけ合います。「ポーンッ!」と気持ちの良い大きな音がします。それで、はじきとばされてたおれたり、土俵の下におちたりしたら負けなのです。でも、二人とも転んでしまうと、
 「負けました」
 「いえいえ、私が負けました」
と言い合って、けんかになるので、うさぎさんやきつねさんは、
 「ええ、それでは、虹の海さんと、天道虫さん、二人とも負けにします」
と、さばきをくだすため、初日にいきなり皆負けてしまうことがあるのです。
 かった回数がいちばん多いたぬきさんが「優勝」なのです。ふだんはやはりよこづなのどちらかなのですが、そういうわけで一回かっただけで優勝してしまうたぬきさんもいるのだそうです。
 賞品は、まわしのかわりのふんどしで、たぬ兵衛さんがもらったときには、「多分」と言う字を書いてもらったそうです。
 うめちゃんも、たぬきさんのすもうを見たり、クイズをやってみたくなりました。
 でも、夜おそくまで起きていると、大すきなお兄さんにおこられるかも知れません。
 「困ったな、どうしよう・・・・・・」
 本当に、うめちゃんはむずかしい顔をしているので、
 「うめちゃん、それは簡単なことです」
と言って、たぬ兵衛さんがにこっと笑いました。
 「どうするの?」
 「ほほほっ、ないしょでお出かけをするのです。朝までに帰ってくればわかりません」
 「ううん、そうねえ・・・・・・でも、うめがいないことに気づいたら、やっぱりおこられるよ」
 「どうもどうも、それでは、こうするのはいかがですか。今から、私たちたぬきとお兄さんがお話をするのです。それで、わたしから、お 兄さんにうめちゃんのお出かけをゆるしてもらえるように、おねがいをするのです」
 「うん!それがいい!」
 はじめから、そうしてみれば良いのですが、たぬきさんたちはねぼけていて、すぐには思いつかなかったのです。
 と、そこへお兄さんが起きてきました。
 「うめ、おはよう。朝からたぬきさんをならべて遊んでいたのかい?」
 うめちゃんも、あいさつのつもりでたくさんしっぽをふりました。
 「今がころあいです」
 たぬ右衛門さんが合図をすると、
 「どうも、おはようございます。兄上どの」
と、たぬ兵衛さんが口を開きました。
 「うん?だれ?・・・・・・テレビじゃないし、ラジオでもないみたいだし・・・・・・」
 お兄さんは、声の正体を探してキョロキョロと顔を動かしています。
 「兄上どの、私ですよ。たぬきです」
 「え?たぬき?・・・・・・うわっ、うわっ、うわあっ、たぬきの置き物がしゃべった!あわわわっ、たぬきがしゃべった、うわわわわっ」
 おどろいたお兄さんは、すっかり混乱して、しゃがみこんでしまいました。
 「お兄さん、おちついて」
と言いながら、うめちゃんはお兄さんの足首にすりよりました。
 「どうもどうも、おどろかせてしまいました。私は、『たぬき野たぬ兵衛』と申します。こちらが、『たぬき田たぬ右衛門』さん、そして 『たぬき川ぽんぽこ兵衛』さんです。わたしたちは皆六百五十才であります」
 「は、はあ・・・・・・それで、どんな用事ですか」
 やっとお話ができるようになったお兄さんは、うめちゃんをだきかかえながら、たぬきさんの顔を見つめました。
 「はい、こんど、うめちゃんを私たちの住むぽんぽこ山へおまねきしたいのです。私たちは夜行性で、なにをするにも暗くなってからのこ とですから、兄上どのに相談をしようと思ったのです。ねえ、うめちゃん?」
 うめちゃんも、いっしょうけんめいにしっぽをふりました。
 「えっ、今夜ですか?」
 「いえいえ、さすがに今日の夜とは申しません。でも、いつかはうめちゃんが山に遊びに行くことさえ許してくだされば、それで良いので す」
 「ふうん。うめ、その・・・・・・ぽんぽこ山へ、本当に遊びにいきたいのかい?」
 またたくさんしっぽをふって見せました。
 「そうか、それじゃあ、仕方がないや。でも、たぬきさんを困らせるようなことは、してはいけないよ」
 うめちゃんはうれしくて、ついこうふんしてしまい、
 「わんっ!」
と、ほえました。
 「ところで、たぬきさん?」
 「はいはい、なんでしょうか」
 「ぽんぽこ山は、ここから遠いのですか?」
 「そうですねえ。たぬきバスで三十分くらいかかります」
 「たぬきバス?おもしろそうですね」
 「兄上どのも、どうぞ遊びにきてください」
 こうして、うめちゃんはたぬきさんのおうちに遊びにいくやくそくをしたのです。
 それからと言うもの、うめちゃんはお出かけのつもりでしょうか。お兄さんの使っていない小さなカバンに、たくさんのおもちゃをつめて、わくわくしているのでした。
 


← 前の回  次の回 → ■ 目次

■ 小説&まんが投稿屋 トップページ
アクセス: 63