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作品名:うめちゃんとふしぎなおともだち 第2弾 作者:烏山鉄夫

第1回 第5話 うめちゃんのたからもの
 うめちゃんは、朝おきたらまず、おもちゃ箱の中をのぞき込んで、
「おはよう」
とあいさつをします。
 中には、大すきなお兄さんがくれたりすさんのぬいぐるみが入っているのです。
 大すきなお兄さんにもらったものだし、かわいいりすさんはうめちゃんにとって、とても大切なたからものなのです。
 うめちゃんは、おにわに出されました。お兄さんは、お父さんとお母さんといっしょに買い物に行くのです。だから、おるすばんをするように言われたのです。
 はじめのうちは、大人しくすわったり、「ふせ」をしたりしていました。でも、だんだんとさみしくなり、つまらない気分になりました。
 おうちのガラスが少し開いているので、いちど中に入ると、あのりすさんをつれて、また外へ出ました。
 「りすさん、いっしょにひなたぼっこをしよう」
と、うめちゃんはりすさんに言いました。
 上の方から、
 「ぽーぽーぽっぽー、ぽーぽーぽっぽー」
と言う声がしました。そちらを見てみると、灰色のとりが電線に止まっていました。
 「あっ、はとさんだ。なんのおうたですか?」
 「おや、村井さんちのうめちゃんかい。これは、はとの朝のうただよ。これをうたうと、一日が始まるのです」
 「ふうん。じゃあ、りすさんにも聞かせてあげて」
 「はいはい。りすさんと仲良しなんだね」
 「うん。うめのたからものなの」
 「ぽうぽう、そうですか。それでは、ごようぼうに応えまして・・・・・・ポーポーポッポー、ポーポーポッポー」
 「ふふふっ。りすさん、良かったね。はとさんは、おうたがじょうずだよね」
 りすさんはぬいぐるみなので、なにも言いませんが、でもうめちゃんはりすさんもよろこんでいると思いました。
 「おや、もうこんな時間だ。うめちゃん、さようなら」
 「あっ、はとさん。ありがとう」
 パタパタと羽をならして、はとさんはとんで行ってしまいました。
 「りすさん、今度はだれがくるかなあ?」
 おにわのかたすみの草むらが、カサコソとゆれました。ねこのおじいさんとおばあさんが遊びにくる時は、いつも草むらをとおってくるからです。
 「もごもご、ばあさん、やっとうめちゃんのおうちに着きましたよ」
 「そうですねえ、おじいさん、もごもご」
 やっぱり、ねこのおじいさんとおばあさんでした。おや、今日は、三毛ねこのニャア子お姉さんもいっしょです。
 「ねこさん、こんにちは。どこかへお出かけをするの?」
 「はいはい、今日はおさんぽです。つかれたので、うめちゃんのおうちでひと休みをしようと思いまして。なあ、ばあさんや」
 「そうですねえ、おじいさん。おや、今日はお客様がいるみたいですよ」
 「おやおや、本当だねえ」
 「あれ、おじいさん。お背中に茶色のとりさんが乗っているよ」
 すると、とりさんはチュンチュンとなきながら逃げてしまいました。
 「おや、すずめさんたちでしたか。なんだか重いと思ってはいたんですがねえ」
と言って、おじいさんは空を見ましたが、もうすすめさんは遠くまでいってしまいました。
 「ふうん・・・・・・あのね、ねこのおじいさん。わたしのたからものの、りすさんだよ」
 「おや、そうでしたか。それでは、みんなでひなたぼっこをしましょう」
 「そうですねえ、おじいさん」
と言って、ねこさんたちは、うめちゃんとならんで、やさしいお日様の光をあびました。ねこさんたちは、気もち良さそうに目を細めました。
 「ねこのおじいさん、おばあさんは、たからものを持っているの?」
 「はいはい、とても高いかつおぶしは、おいしいので、ゆっくりたいせつに食べることにしています。なあ、ばあさん」
 「そうですねえ、おじいさん。あのかつおぶしは、なにかおいわいや良いことがあったときのごちそうにしています」
 「ふうん。それじゃあ、おばあさんもかつおぶしがたからものなの?」
 「いえいえ、それだけではありませんよ。おじいさんが昔買ってくれた梅ぼしの種を、今でもだいじにとってありますよ」
 「おや、ばあさん。五十年前に旅行へ出かけたときに食べた、あのすっぱくておいしかった梅ぼしのことかい?」
 「そうですよ。あれはおいしかったですよ。それにせっかくおじいさんがくれたものですから、種だけでもと思いましてねえ」
 うめちゃんは、その梅ぼしと言う食べものを知りませんが、きっとおいしいものにちがいありません。
 ニャア子お姉さんは、
 「わたしのたからものは、この首輪の鈴だよ」
と言って、上を向いてのどを見せてくれました。
 小さい金色の鈴がぶら下がっており、お姉さんが動くたびに、
 「チリンチリン」
となるのです。
 「これ、おじいちゃんがね、わたしがうまれたときに、おいわいに買ってくれたんだって、パパが言っていたの」
 ニャア子お姉さんは、おじいさんおばあさんの「まご」なのです。だから、ニャア子お姉さんがうまれたのがとてもうれしかったのですね。

 うめちゃんは、お兄さんとおさんぽをしていました。
 「あっ、ジョンお兄さんだ」
 さいきん、うめちゃんがおともだちになった、きごんじょの大きな犬です。ジョンくんは、いつもおうちの門と地面のすき間から顔を出して、外のようすをながめるのがすきらしく、今日もまるで生首みたいに顔をつき出しています。
 「おお、だれかと思ったら、うめちゃんか」
 「お兄さん、こんにちは。うめね、おさんぽをしているの」
 「良いなあ。オレも連れていけよ」
 「うめのお兄さんが許してくれるかな」
 「そうだな。また今度にしよう」
 「ねえ、ねえ。お兄さんにもなにかたからものがあるの?」
 「たからもの?ああ、あるよ。犬小屋だよ。とってもすみごごちが良くてお気に入りなんだ」
 「ふうん」
 「ワンワンワン!」
 「どうしたの?」
と言ってふりむくと、やはりおさんぽのとちゅうの犬がいました。
 「あいつ、オレの犬小屋をばかにするからきらいなんだ。あっちへいけ!」
と、その犬が見えなくなるまで、ずっとほえていました。
 「黄色にぬってあって、おしゃれだと思うんだけどなあ」
 ジョンくんは、おちついたところでそう言うと、
 「そうだ。今度うめちゃんも、オレの犬小屋にあそびにきなよ」
 「ええ、今度ね。やくそくだよ」
 「まっているぞ」
 うめちゃんは、ジョンくんと仲良しになれて良かったと思いました。
 うめちゃんがおうちに帰ると、たぬきさんたちがまどのちかくで、ひなたぼっこをしていました。
 「おやおや、うめちゃん。お帰りなさい」
 「たぬ兵衛じいじ、ただいま」
 「うめちゃんは、今日はいろいろな生きものに、たからもののことを聞いていたみたいですね」
 「うん、そうだよ。たぬきさんは、なあに?」
 「はいはい、わたしはですねえ・・・・・・」
 たぬ兵衛さんは、がっこうにいっていたときに使っていたふろしきと答えました。
 「ぽんぽこ兵衛さんは?」
 「おじいさんが書いてくれたかけじくで、『』と書いてあるのですよ」
 「たぬ右衛門さんは?」
 「どんぐりを入れるのに使っている古いつぼです。とてもしぶくて大すきです」
 「みんな、子供のころからだいじにしているんですよ」
 すると、たからものを六百五十年もだいじにしていたことになります。よほど、お気に入りのものなのですね。
 みんなそれぞれ、たからものを持っているのです。みなさんは、どんなたいせつなたからものがありますか。


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