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作品名:春夏秋冬 作者:烏山鉄夫

最終回 雑踏 ―詩その他
●夢中旅行
吾を小馬鹿にする為に旅を催し集まりし
友と信じて来てみれば飛んで火に居る夏の虫

移動の車乗り込めば吾のみ仲間はずれにて
名所旧跡一人にて見物するは淋しかな

夜の酒盛り盛り上がりされど忘れし余の事を
ついに怒りが破裂して部屋に戻りて不貞寝なり

朝日に照るや露天風呂長湯をすればする程に
血の気とのぼる煙あり家路着くまで気がふさぐ

一夜の宿を立ち退きて遊ぶ名所に目もくれず
恨み呪いし心もち巫女の姿に気分晴れ

帰路の車の賑やかさ 耳をふさぎて居眠りし
幹事の声に邪魔されて目覚めてみれば上野駅

話を聞けばその実は吾に驚き与えんと
示し合わせた企ての終わり見る事叶わずに

●孤独
今夜も彼女の居ない独り身の夜
慣れてしまったので、欲しい欲しいと思いつつ、虚勢のみ張る
そりゃ、女の子と真剣にデートくらいしてみたいさ
そりゃ、女の子とゆっくりお話ししたいさ
そりゃ、女の子とカラオケ行って唄ってみたいさ
そりゃ、女の子と一緒にお酒くらい呑みたいさ
しかし、お相手が居ないんじゃ話にならぬ
だから、今日もおひとり様

慣れてしまったので、欲しい欲しいと思いつつ、虚勢のみ張る
そりゃ、女の子に恋文くらい書いてみたいさ
そりゃ、女の子を抱きたいさ
そりゃ、女の子と時間を共有してみたいさ
そりゃ、女の子の心を支えてあげたいさ
しかし、お相手が居ないんじゃ話にならぬ
だから、今日もおひとり様

●夢想蜜月
貴女は美人だね。
美女と言うと安っぽい女に思える。
春の様な優しさ、夏の様な明るさ、
秋の様なしとやかさ、冬の様なはかなき淋しさ。

貴女は美人だね。
美女と言うと軽々しい女に思える。
桜の様な色香、向日葵の様な健やかさ、
秋桜の様な可愛さ、菊の様な上品さ。

貴女はまるで山だね。
ほれぼれとしてしまう高山だ。
すらりとした標高、憧れの山頂、
私を包み込む稜線、白磁の雪山。

貴女と一緒に居るだけで楽しい。
貴女と酒が飲めるのがうれしい。
貴女が私を好きと言ってくれればそれで良い。
貴女の心体を独占できる喜び。

笑ってくれるな、私は初めての事なんだから。
見下して居るね、
それなら私の台詞を返したまえ。
そんな人に贈る台詞など無いのだ!

●友の誕生祝い
友の門出を祝う為上野の森に集まりし
三十路の旅に出でて行く後姿の華やかさ

普段は互い肩組て時には立つや諍いの
辻を嵐が通り過ぎあとに残るや友情や

持つべきものは友なりと誰が言ったか格言の
うそ無きことを肴にて長夜に交わす盃や

酔いて別れて別れてはまた呑む酒の美味しさに
時の経つのも忘れさせ秋風吹きてお開きか

祝え人々親友の三十路の仲間加わりし
刹那に逢える嬉しさの喜び叫べ上野にて

●青春のひとこま
旅先とか自宅からちょっと離れた場所なら平気の平左。
でも近所だとちょっと恥ずかしかった子供の頃。
お目当ての電車やバスが来るまでの待ち時間のこと。
近所を走って居た、一日に数本しかない路線バス。
写真に撮ろうと待ち構えて居たけど、なかなか来ない。
時間を間違えたか?道路が混んでいるのか?
誰も見ていないのに、ウロウロしているのが照れ臭い。
あと5分待てば来たかも知れない。
その5分が我慢出来なかった中学2年のひととき。


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