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作品名:夢で会いましょう 作者:chihiro

最終回 エピローグ
裕子の命の炎は日曜日の昼ごろに消えた。生前の裕子の希望通りに散骨ということになった。そんな一連の行事を裕子は英三の横ですべて眺めていた。
「人って何のために生きて一生を過ごし命尽きていくのかしら。」
「それを探すために人は生きるのだと思うよ。君がそうしてきたように。人それぞれ何のために生きるなんていうのはさまざまだ。誰もはじめからわかっている人なんていないさ。終わって初めて気がつくものさ。」
「人生が終わる前にそれに気がついた人は幸せなのね。」
「君はそれを見つけた。曲折はあったけれど結果よければ内容なんて気にしないさ。」
「あなたはそれをいつごろ気がついた?」
「いつまでもしつこく君の事を思い出すようになってから。」
「私もそうだわ。でも自分の心に踏ん切りをつかせる前からわかっていたことだった。だって私の人生はあなたを語らなくして成り立たないもの。本当は答えはそこにあった。ただ大事なものだからこそ気がつかなかった。来世で添い遂げてなんていわない。戸籍が一緒にならなくても私はきっとあなたを未来永劫ずっと愛し続ける。どんな形で出会うとしてもきっとあなたのことわかるわ。」
「ああ、そうだな。そうやって前世も俺たちは出会ってきたのかもしれない。たとえ記憶をなくしたとしても感性がお互いを引き寄せる。出会いは人間同士とは限らない。動物植物この世に存在するものすべてが対象だ。いかに何の手がかりもなしに見つけられるか。それが人生を送るということなのかもしれない。」
「あなたって見かけによらず理論的だったのね。でもうれしいわ。魂になってもあなたを知ることができるなんて。思えばあなたのこと何も知らなかった。ただ大人としてみてくれた最初の人というだけでアイドルみたいにあこがれていた。」
「それは何度も聞いたよ。俺たちにはこの先たくさんの時間がある。一日ひとつでも何か発見があればそれだけお互いのことを知ることができる。」
「そうね。姿形は変われど魂はそのままだもの。一緒にいるときもそうでないときも相手のことを思っていれば自然とわかってくることもあると思うわ。」
「裕子、愛してる。」
「私もあなたが大好きです。」
二つの魂は一つとなり持ち主を失った風船のように大空に舞い上がっていった。

終わり


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