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作品名:ハチマタの運命(KAMIKAZE続編) 作者:chihiro

第12回 南仏へ
ハチマタはなんとなく南仏の光景を覚えていた。メディアで見たのではなく自分の目で見たのだ。記憶がないけれど難民として直接フランスに南仏のどこかに漂流したのかもしれない。フィリッピン人の予想が正しければ南仏を拠点としてスペインやイタリアも狙われる。もちろんフランスも例に漏れずだ。これだけの事件を起こしてアディルにも連絡してあるのになぜ善と呼ばれるものたちは何もしないのだろう?結局市民を捨てているのだ。誰もテロから逃れられない。悪い風習を慣習とさせられた人々はそれを黙ってみているだけなのか?なぜ私はここで見ているだけなのだろう。はじめから感情はなかった。仲間を失ったときもただ人事のように新聞を読んでいただけだ。何とかしなければならないと思う気持ちに変わりはない。しかしどうすればどうやれば何とかできるのだろう?一般市民と同じようにメディアによって事件を知らされる。身動きできない。確かにイラクからは出られたけれど場所を変えてとらわれの身になっているだけだ。
(フランスが先なのだろうか?だとしたら誰が任務につくのだ?イタリア、スペイン順番はどちらでもかまわないってことか。だからパリではなく南仏を選んだのだ。ここのメンバーでフランス人は確かにいるけれどそのカップルは普段から会話に加わらないどちらかというと自分たちだけの世界にいるような人だった。
「私たちはテロリストと戦争をしている。この戦争に勝たなければいけない。国民は臆することなく日常の生活を営んでほしい。我々は警察、特別警察を増加して警備に当たる。ヨーロッパ各国と早急に会議をして各国間の情報をより早く伝達しようということで意見が合致した。テロリストは観光名所つまり人が大勢集まるところを狙っている。イベントに行くものは十分な警戒をするようにしてほしい。」大統領以下政府のものは口をそろえて言う。実際は警察は事件が起こってからではないと動かない。どんなにテロ現場の近くにいてもそれなりにグループがあって部署が違うと何もできないのだ。だから国民は落胆する。それが怒りになって戦争へと発展する。ハチマタはため息をついた。

「君へラブレターが届いているよ。」アンドリューは馬鹿にした笑いをしながらハチマタにいった。「もちろん内容は見せてもらったよ。イタリア人のモニカって人からだ。そのだんなも連名になっている。」
ハチマタはアンドリューからその手紙を乱暴に奪い取ると読んだ。その手紙は英語でかかれてあった。しかしあまり英語を使いなれていない人の文面でところどころに間違いを見つけることができた。
「ハチマタさん。あなたが脱出して戻ってからどんな気持ちになっているのかわかります。しかし私たちはすでにこの施設に入ったときから囚われの身。そして自分の運命がどうなるのかわかっています。少なくても今現在では覚悟は決めています。今度任務を言い渡されました。イタリアで事件が起きます。聞いた話だとほとんど同時にスペインやフランスでも事件が起きるらしいです。きっと任務に就かされたものたちは私たちと同じ気持ちなのでしょう。あなたが私たちのことを脱出させようと一生懸命になったこと。本当の意味での世界平和を真剣に考えていることを感謝します。あなたのその気持ちが世界中に届きますように。こんな形でしか感謝を表せないことを許してください。さようなら。一日でも長くあなたが生きていられますように。モニカ。」
ハチマタは何度も読み返してみた。その間ずっとアンドリューはハチマタを見張っていた。
「ほとんど同時にスペインやフランス、イタリアで事件が起きるってどういうこと?」
「その言葉通りさ。三組のカップルに任務を言い渡した。そしてすでに出発している。」
「私は何をすればいいの?」
「ここでその事件をテレビで見ているだけ。」
「あなたは絶対にベッドで死ぬことはできないわ。」
「ベッドの中で横たわって死のうとは思っていないさ。第一ここにいるものはそんな夢みたいなことは思わない。」
「事件の起きる日付だけでも教えてくれる?」
「答えはNOだ。」
「ナディアやラディックは参加するの?」
「その答えもノーコメント。ただいえるのはフランスでの任務から君は外れた。それだけだ。アディルかその仲間たちに連絡するのは勝手だが果たして彼らはどの場所でいつ事件が起きるのか想像がつかないだろう。」
「阻止するための同時テロなの?」
「そういうことだ。どちらにしても君は自分の無力を思い知らされる。それが我々の狙いだ。」そういうとアンドリューは部屋を出た。
しまりきった扉にハチマタは近くにあった置物を投げつけた。置物は粉々に壊れたがハチマタの心は収まらなかった。


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