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作品名:「薬草を探せ」 - 光の戦士 まやちゃん 物語 その1 - 作者:夢ミケ

第29回 女神にゃん ふたたびにゃん
 ドクの案内で森に入る。何となく道っぽいところを歩く。今までと違って、安心だ。
「それでにゃ。どこ行くにゃ」
「そっか、まやちゃん寝てて聞いてなかったのね」
「そうにゃ」
「クルクルを退治に行くのよ。あの花畑に半分の葉があるの」
「にゃるほど。まやちゃん、すごい、大活躍にゃ」
「そうよ、大活躍してね」
 なんとなくオニオンは不安になる。
「姫の姉御。ねこの姉御にちゃんと説明しなくて良いのですか」
「ううんと、あんた説明する」
 オニオンは理解した。説明出来ない。
 四人は池の淵に着いた。どうやらこの池を回って、少し行ったところがクルクルの花畑らしい。
「にゃにゃ。女神にゃん」
「あら池ね」
 まやちゃんは姫を押す。
「ちょっと何してるの」
「焼きのりにゃ」
「だからだめだってば。それに、焼き海苔よりもっと良いものがあるでしょ」
「にゃるほど。姫にゃん金ににゃるにゃ」
「あたしは嫌よ」
 と、オニオンを見る。まやちゃんはオニオンを押した。
「ぎょぎょ、何するんですか。ああ、どうして」
 オニオンは池に落ちた。すると、ぐるぐる渦を巻いて沈んで行った。ドクが首を傾げる。
「この池は、膝ぐらいの深さしかないはずじゃが」
 姫とまやちゃんはワクワクしながら待っている。すると、また渦が巻いてバシャっと出てきた。
「助けてください」
 オニオンだった。バシャバシャしている。
「なんで」
「オニオンにゃ」
 姫とまやちゃんはがっかりした。ドクが助ける。尾を伸ばした。オニオンはその尾をつかもうとして、毒針を見て手を引っ込める。
「なんじゃ。そんなに余裕があるのなら、自分で上がりなさい」
「ち、違うのです。足、足に何かが噛み付いているのです」
 オニオンはバシャバシャしている。
「だから、ちゃんと足で立って見なさい。膝ぐらいの深さのはずじゃ」
 それで、オニオンは我に返って、その場に立ち上がった。
「本当だ。こんなに浅かったんだ」
 そう言うと、ジャブジャブ歩いて池から出てきた。足に何か噛み付いている。魚みたいだ。
「やだ、魚捕まえたの」
「にゃの」
「ほほう。それはブリじゃな」
「ええっ。どうして、池にブリがいるの。確かに大きな魚だけれど、色も黄色いし」
「にゃるほど。ブリキにゃ」
「話しをややっこしくするな」
「やっこをゆでるにゃ、にゃ。ゆでたら湯豆腐にゃ」
 オニオンは、ひらめいた。
「じゃあ、この魚を刺身にして、湯豆腐で一杯としますか」
「ちょっと待ちなさい。だから何でって、変なのが増えたよ」
 池の中に、赤・青・桃・緑の魚が現れて、池から顔を出していた。
「黄ブリが捕まえた獲物を返してもらおう」
 そう赤い魚が言った。
「しゃべる魚にゃ。サーカスに売って、大もうけにゃ」
「そうね、それも良いかもね」
 姫の目はキラキラしていた。赤い魚は少し声に怒りを込める。
「何をごちゃごちゃ言ってる。早くよこせ」
「にゃるほど。オニオン獲物にゃ。ブリキに捕まったにゃ。返すにゃ」
 そう言うと、まやちゃんはオニオンを押した。
「ええっ。どうして」
 オニオンは池に落ちた。
「おお。素直なやつだな。では、黄ブリを返して貰おう」
 黄ブリと呼ばれた、黄色い魚は、陸でピクピクしていた。
「生きの良い魚にゃ。これは、刺身にゃ」
 魚達は驚く。赤い魚が言う。
「なんて残酷なやつだ」
 そして、青い魚が言った。
「合体だ。合体。赤ブリ、リーダー。合体して一気に」
「おお。そうだ。こんな時こそ合体だ。みんな、用意は良いか」
 何かヒレをひねってポーズを取っている。
「赤ブリ」
「青ブリ」
「桃ブリ」
「緑ブリ」
 陸でピクピクしている黄色い魚の代わりに、赤い魚が言う。
「そして、そこに居るのが、黄ブリ。全部合わせて、ゴブリンじゃ」
「ゴブリンじゃ。って、その為にブリな訳。ねえ、そうなの。ふなだと、ゴフナじゃ、こいなら、ゴコイじゃ。ブリなら、ゴブリンじゃ、なのね」
「まやちゃんにゃ」
「自己紹介するな」
 池の中では、合体が始まっていた。とても苦労して、四匹で大きな魚の形になろうとしている。
「なんか、ジグソーパズルみたいね」
「にゃるほど。ジにゃ」
「ジじゃないの、ジグソーパズルよ」
「だから、クソーにゃ」
「クソーじゃないの、ジグソーよジグソー」
「にゃにゃ。クソーがジのパンはズルイってにゃんにゃ」
「ばらばらに言うな」
「姫にゃんがクソーって言ったにゃ」
「言ったわよ、ああ言ったさ。さあ、どう、これで満足」
「満足してないにゃ」
「どういうこと」
「あれにゃ」
 と、池を指さす。もう少しで、なんとかなりそうなところで、黄ブリがいないので、完了しないのだ。
「リーダーだめよ。合体出来ないわ」
「くそう、よくも姑息な手を使って」
 四匹がバラバラとなる。その時、池が渦を巻いた。そして、とても機嫌の悪い女神様が現れた。どさりと、オニオンを投げてよこした。
「いちいち、私を呼ぶんじゃない。お前らもバカやってないで行くよ」
 と、言うと、四匹と、ピクピクしている黄ブリを連れて、池の中に沈みだした。
「そうにゃ。金にゃ」
 女神様の顔つきが険しくなる。
「だから、そいつの、上の歯を金に、下の歯を銀にしておいたよ」
 それで、沈んでしまった。
「ぼ、僕の歯」
 オニオンが口を開ける。
「本当だ。金よ。銀よ」
「パールにゃ」
「何の話やねん」
 オニオンが頭を抱える。
「これから一生、こんな歯で生きていくんだ」
「いいじゃん。ステキよ。だって、年取ると歯が抜けるでしょ」
「うん」
「その時、金や銀の歯が抜けるのよ。年金みたいじゃん」
「みたいにゃ」
「おお、おお。いいな、わしも、そんな歯が欲しいの」
 四人は先を急いだ。


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